2011年1月4日火曜日

CASTI Vinciについて―ロードバイクの明日を探る 2

さて、金属を選んだら、どういう感触が得られたか。常に2年間走りこんだ、CASATI Vinciのインプレッションを書こう。

参考までに・・・CASATI チャレンジ2008~2010モデル以前のCASATIのラインナップ(年代不明。2000年代前半?)CASATI 2008年コレクション

ハンドリングはニュートラル、設計自体はロングライドからロードレースまでいけそうである。フロントセンターが比較的長め(最近のクイックなカーボンと比べて)で安定感があるニュートラルなハンドリングである一方、リアセンターが詰まっていることから、反応はすこぶる良い。その上、ハンガー下がりもそこまで高くなく、中高速も伸びる。コーナーリングも安定している。さすがイタリアンフレーム。設計に主張がある。その代わり、塗装の質や溶接の美しさなどに価格なりの妥協がある。さすがイタリア人。でも、乗れば、そんな細かいところは気にならないほど楽しい。この価格(2010年はフレーム&フォークで\164,535(税込)。因みに、僕の2008年モデルは、完成車で、この程度の値段で流通していた。定価はもっと高かったが… )では、間違いなくお得である。7003アルミの実力を思い知らされた。

さて、踏んだときの感触を書こう。さすがに7003アルミのトリプルバテットだけ合って、チューブは薄い印象。パリッと乾いている。そして、上級のアルミらしく粘りがある。すなわちガチガチに硬いのではなく、踏んだ動力をしっかり受け止め、伝達してくれる感じがある(もちろん柔らかいわけでは無い)。大げさに書けば、LOOK595のような最高級カーボンや最高級クロモリにも通ずる感覚を、もうすこしがっちりさせた感じである。

しかし、まず最高級カーボンと比べると、やはりカーボンの方が乗りやすい。脚を使いきったとき、フレームがアシストしてくれなくなってしまい、まず、乗る前に体力をつけなければならない。上りでもどんどん踏みたくなる代わりに、踏みすぎて疲れると進まなくなり、非常に大変である。しかし、その本気感がたまらない。面白い。自分が自転車を操っている感覚につながっていて心地よい。

おそらくきつい山を含んだ本格ロードレースやヒルクライムでは最高級カーボンの方が絶対有利だろうが、短いアップダウンが連続するロードレース、サーキットレースでは十分最高級カーボンと渡り合えるだろう(体力さえあれば)。因みに、通常ヤビツで約40~45分台のタイムである僕の脚力では5%くらいの緩斜面でアタックをかけたときの進み方が一番気持ちよく感じる。それも、ダンシングではなく、シッティングの方が回しやすく、進む感じがある(だから脚を使うのだ)。
また、下りの安定感も負けるだろう。さすがに、最新の上下異径ヘッドほどの剛性感は無いし剛性も無い。ただ、タイムに差が出るか、と聞かれれば、ライダーのテクニックの差の方が大きいだろう。

さて、最高級クロモリと比べるとどうか。
やはり問題になるのはつかれやすさだろう。路面からの微振動が体を痛めつける。ホイール、チューブ、タイヤなどでしっかり調整しないと路面とけんかする。体力が無い人は乗るな、というメッセージさえ感じられる(例えば僕の場合120キロを越えると肩が痛くなってくる)。

例えば僕の場合、ホイールはいまのミケ・リフレックス(2008年の完成車モデルに標準装備)が練習にちょうどよいとおもい、使い続け 、同じ理由で、個人的に好みのタイヤであるミシュラン・リチオンを使っているが、フロントのチューブのみパナレーサーR-Airをいれている(R-Airはタイヤの中にしっかり収めないと、すぐバルブとチュープの付け根付近が裂ける。空気も入りづらいし、バルブも曲がりやすくシビア。でも路面をなめるような最高のフィーリング。耐久性も以外と高い)。そして、空気圧も7.2気圧程度にしている(体重60kg.弱)。それでも、前述のように120キロを越えると肩の痛みを非常に感じる。おそらく、フロントフォークをカーボンコラムのものに買え、ホイールやコンポを軽くし、チューブラーかチューブレスタイヤを使用するようにすれば、結構変わるのでは無いだろうか。おそらく路面とのけんかも緩和するだろう。やはり、レースモデルとしての理想は、最高級カーボンのように、路面の状況は伝えてくるが、振動減衰は早い、と言うものだろう。やはり、Vinciの部品選びにはこだわりが必要では無いだろうか。

さて、速度ののびについて。今僕は、BBはシマノのホーローテック2にし(デュラエース)、クランクは105、そして、リアホイールは結線している(たこ糸と接着剤)。それぞれについて考察しよう。
※ホーローテック2化
カンパのスクエアテーパードのBBの頃は、時速30キロから40キロまでののびが非常に大きく感じられた。そこから先は、確かに平地でも50キロ以上は行くが、結構厳しかった。
一方、BBを変えてからは、猛烈なのび感は無くなったが、35キロを越えたあたりから、固い物を踏んでいるという、これから踏めば速度が伸びそうだ、という感触が生まれるようになった。まだ脚が残っているうちは、35キロから45キロ弱くらいで速度を上げ下げするのが一番楽しく、頑張れば、50キロくらいまでは速度が伸びて行く。更に頑張れば、60キロまで行かなくも無いが、僕の脚力では維持できない。プロだったらそのくらいの速度域が自由に操れるのだろう。(以上の速度はすべて平地。下り坂は、速度アタックなどしたことがありません。さすがに怖いので)実際、下り坂では直線の峠でも、60キロを越えれば空気の壁を感じ、速度ののびが抑制される。二度ほど70キロ近く出したが、最高速はどれくらいかはわからないし、これ以上は公道では、さすがに怖い。
※結線
さすがに、スポークに熱を加えるのは怖かったので、瞬間接着剤とたこ糸でやった。ただ、糸の太さ、巻き数、接着剤の量など、調整幅が広く、楽しかった。

結線後、平地では、40キロから45キロ強の速度域で速度を上げ下げするのが楽しくなった。ダンシングの反応も良くなり、ホイールの重さが薄れた。ただ、踏み出しは重くなりパワーは必要。また、下りでは60キロを越えたあたりでもまだ踏み応えがあった。まだそれ以上の速度域は試していないが、全体的に剛性が上がり、更に乗るのが楽しくなった。脚力さえあれば、平地のロードレースで決戦用として使ってもよいのでは無いか、というくらいの性能向上に思える。

さて、話を戻して、あえてアルミやクロモリの一部の上級金属モデルを選ぶ、積極的理由は何か考える(前回も似たようなことを書いたが)。 それは別にコストパフォーマンスのような消極的理由では無いだろう。すなわち、自分が自転車を操っていると言う感触では無いか。(もちろん、カーボンでも最高級モデルの一部はそれを感じるものが多いだろうが)

だからこそ、デローザ・チーム、CASATI・Vinci、カレラ・ウィリッセRC、エディメルクス・AMX-5、CASATI・レーザー、エヴァディオ・バッカス、GIOS・LEGGERO等には残って欲しいと思う。今、ここまで本気なアルミ、クロモリは稀である。惜しいのはコルナゴ。昔は安価でもストラーダSC、ドリームHX等、本気のモデルが多かったが、今はC59やEPSなど、本気のモデルはすべて高いでは無いか…

ただ、Vinciに要望が無いわけでは無い。
それについてはそのうち書きます(いつになるかはわかりません)。(続く)

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