サドル考① - Selle SMP composite vs Specialized Romin Evo (2013/9/6追記)

何年も自転車に乗ってきて、ヒルクライム→ロードレースと、出るレースが変わってきて、一番好みが変化したのが、サドルである。

一貫して変わらないこだわりは、尿道への圧迫の少なさと、お尻のおさまりの良さであるが、だんだん走れるようになってきて、またストレッチによって柔軟性が高まるとともに、 湾曲が少ないものを好むようになった。

2年前の8月に、Selle SMPのcompositeを導入した。昨年の8月には、specializedのromin evoを導入した。そして、今年の8月に、selle italiaのFlite flowの2013年モデルを導入した。今回は、この三つのサドルを比較インプレし、サドルの湾曲について考察したい。というのも、プロレースを見ていて、多くの選手がフラットなサドルを好み(※)、また穴あきを使っている人も少ないが、なんとなくその理由が見えた気がしたからである。

※ただ、ツールなどの海外ビックレースでは面白いくらいそうだが、実業団レースなどでは、穴あきを使っているプロ選手も見かけるので、日本人と欧米人の違いや、スポンサーとの兼ね合いなどの関係もあるかもしれない。実際、学連のレースではSMP愛用者も多いし、また、先日湾岸クリテリウムに出場した時、Blitzenの選手の自転車を観察したら、意外と、溝付きサドルを使っている選手もおり、プロ≠穴あきサドルとは言えないのでは、と感じたのである。流石に、レース前だったので、選手に話しかけるのは控えたから、サドルに対する考え方は聞けなかったが。

(2013/9/6追記)今年の乗鞍では、Vax Raingの選手に、サドルについて聞くことができた。プロでも、穴あきを使うことはある、とのこと。確かに、Selle Italia SLR flowをつけたバイクがあった。しかし、やはり、レース中に使う筋肉を変えるために腰を前後させることを考えると、安定感の面で、穴がないサドルを好む選手が多い、とのこと。そして、アリオネのように、前後に長いサドルの方が、動かせる範囲が多いから、人気が高い、と語って下さった。個人的に、Fizikは動きすぎな気がして、あまり好みではなかったが、確かに、長距離のロードレースとかで、使う筋肉を変えながら走ろうと思ったら、あれくらい動かないとだめなのかもしれない、と実感した次第である。

目次
サドル考①[SMPに感じた疑問][坐骨幅の重要性][Specialized Romin Evo導入]
サドル考②[余談 Romin vs Romin Evo][さらにフラットなサドルを求めて][Flite flow 2013インプレ]

関連記事[Prologo Nago Evo PAS & Selle San Marco Aspide インプレ]

[SMPに感じた疑問]
榛名湖にて。SMPサドルは、ヒルクライムでは腰が落ち着き、好感度が高かった。

SMPサドルを使っているとき、一つ不可解なことがあった。毎日、長時間同じ人と練習すると、自分だけ、ほかの人より明らかに疲労しているのでは、と感じたのだ。 そして、もう一つ、TTやヒルクライムやローラー台ではパワーが出るのに、ロードレースでは、瞬間的な加速についていけないのだ。

もちろん、僕の実力不足が一番大きい。しかし、もう一つ感じたことに、ポジションを完全に固定してしまっている、ということも挙げられるのではないかと思う。つまり、限られた筋肉しか使えていなかったのではないか、ということだ。事実、SMPを使っていた時期は、かなりポジションがシビアになり、少しでもスイートスポットをずれると、パワーが出なくなった。

ただ、これはSMPを批判したいわけでは全くない。SMPサドルのセッティングの問題(要するに、僕は腰が動かないようなセッティングにしていた)、そもそも、後で幅があっていなかったことが判明したこと(おそらく、Formaを買っていれば、印象が違ったはず。また、最後まで読んでいただけるとご理解頂けるのでは、と思うが、現時点では、引退して足がなくなったら、もう一回SMPに戻ろうと思っている) 、フレームサイズの関係などで、うまくポジションを煮詰められなかった可能性がある(なぜか、頑張っても後ろ乗り気味になった)ことなどから、以上の所感が、すべてSMPに原因があるとは思えないのだ。

[坐骨幅の重要性]
 最近、SpecializedやBontragerなどにより、坐骨幅を基準としたサドル選びが推奨され、Selle ItaliaやPrologoなどでも、複数の幅が用意されるようになっているが、この問題について少し考察したい。
先述のように、SMP compositeは、僕の骨盤の幅にはあっていなかった。なぜ判明したかというと、もちろん、Specializedのお店で測ってもらったということもあるが、 それ以前に、連続して長距離・高強度の練習をした後のおしりの筋肉の凝り具合から、明らかに、穴の周辺部に体重が集中していることが判明していた。要するに、坐骨に体重がかかっていなかったようなのだ。
それでも、重要な部分の血流は保たれていたので、SMPサドルの優秀さ、要するに、体重をかなり分散させられる、ということがうかがえる。

[Specialized Romin Evo導入] 
 
乗鞍にて。個人的にRominはロードレースで好感度が高いが、ヒルクライムでもかなり安定したペダリングが可能だった。さらに柔軟性が上がるまでは、理想的なサドルだった。ちなみに、いずれ記事にする予定だが、ユーラスのフロントを破損してしまい、フロントのみDura-AceのC24-TL。このコンポジットリムは確かにメリットがあると感じた。前Dura-Ace、後ろユーラスの組み合わせは(かっこ悪いが)おすすめ(笑)
 さて、個人的な好みを満たしてくれるサドルとして、腰を少しは移動させたいが、基本的にはピッタリおさまり、かつ尿道にやさしい、というぜいたくな要望に応えてくれるサドルを探し、SMPに似た形という評判のRominを検討、よりSMPに近づいたといわれるRomin Evoを導入した。幅は143㎜。やっぱり、SMPのcompositeではなく、Formaを買っておけば良かったのかも知れない。ともかく、ローミンは乗鞍やJapan Cupのオープンレースで実戦投入しており、かなり特徴がつかめたと思うので、インプレしたい。

ローミンは確かにSMPに似た形で、お尻のおさまりは良い。もちろんホールド感はSMPの方が上で、数日はSMPの感触が忘れられなかったが、しかし、ローミンでもしっかり腰を固定でき、力強いペダリングが可能だ。もちろん、お尻のおさまりが良いので、ヒルクライムでもよい。そのうえで、SMPよりは前後に(主に前)腰を動かしやすいので、長距離をノンストップで走るとき、別の筋肉を使えるし、ロードレースでペースの変動があった時、Japan Cupの鶴カントリーなど瞬間的にパワーが欲しい場面で、 大腿四頭筋を使いやすく感じた。そのため、ダッシュにも遅れなくなった。
さらに、幅があっているためか、血流に関しても、SMPよりさらに優れているように感じた。ただ、これはFormaと比べないと、本来の比較にはならないだろう。 

ただ、ベースがしならない為か、セッティングによっては座骨に痛みを感じることもあった。意外とクッションが固いこともあるだろう。ただ、ローラー台とかならともかく、実走では、体重が分散するから、クッションの硬さやベースのしならなさは、そこまで気にならない。長距離で疲れた時に、少し硬く感じるくらいだ。
また、SMPよりさらに先端が太いが、座る位置が、サドルの前の方だからか、全然当たらず、ペダリングはSMP以上にやりやすい。また、なぜか、腰を動かさなくても、SMPより大腿四頭筋の稼働率が高い気がした。 



というわけで、Romin Evoがゴールと思っていたが、この後再びサドル沼にはまってしまった。さらにフラットなサドルを求めるようになった経緯を、次回、書きたいと思う。 

(次の記事に続いています) 

コメント