さて、以前このブログで、チューブレスタイヤについて、いろいろ考察したが、3シーズン弱チューブレスを使ってきて、Fusion3とAtomについて、長期使用で見えてきたこと、そして、最近導入したMaxxisのPadroneとIRCのFormula Pro RBCCに関するインプレを述べたい。なお、同時並行で、チューブラータイヤも使用していたので、それも踏まえた考察だと考えて頂きたい。具体的には、この間に決戦用として、パナレーサーのレース typeA evo2や、Continental competition、ミシュランPro4 tubular、シュワルベ Ultremo HTを消費した。結論的になってしまうが、チューブレスを練習からレースまで使っていたことを考えると、耐久性の高さが分かる(なお、レースでの使用が中心なので、詳細なインプレは避ける)。
[続編も書きました]
[1]ハッチンソン Fusion3 Tubless 長期レポート(→以前のインプレ)
性能面に関して、特に追記することはないが、耐久性と耐パンク性に関して追記したい。
Fusion3を使っていて、一番気になったのは、ひび割れである。ネット上でも確かに、ひびが割れやすいという情報はあったが、確かに数千キロで、かなり割れてきた。しかし、別に空気が抜けるということもなく、そのまま使ってみた。
さすがに1万キロを超えると、かなり深いひびも出てきて、怖かったので、クリンチャーとして使用。この段階でも、まだグリップ力は維持されていた。少なくとも1万5千キロまでは、下りを攻めるような使い方をしたが、大丈夫だった(レースではさすがに使っていないので、その領域では何とも言えない)。下の写真の状態で、約2万キロ。流石にロードではなく、クロスバイクで使用。時速30㎞/h前後では、下りでも問題はない。高速域は不明(ただ、後述するように、危険だとは思う)。ともかく、この耐久性の高さは、特筆すべきだろう。もちろん、ここまでパンクはゼロだ(インナーチューブはミドルグレードのものを使用)。
とはいえ、これは、Fusion3の重さとも関係があるのではないか、と思う。チューブラーと比べると、はっきり言って、Fusion3は重さを感じた。 そういった点から結論付けると、Fusion3は最高のトレーニング&ツーリング用タイヤだろう。
[2]ハッチンソン Atom Tubless(→以前のインプレ)
少なくとも、性能面においては、以前のインプレでの好印象は変わらず。特に、このタイヤはレースを中心に決戦用として使用したが、時速70㎞以上でコーナーに突っ込む場面でも、全く問題はなかった(具体的には、修善寺左回りのレースで数回使用)。チューブラーとの比較に興味があったが、残念ながら、所有していた中華カーボンホイールのリムバランスが悪く、同じシチュエーションで、同じスピードを出せなかったため、少し信頼性に乏しい情報ととらえて頂きたいが、個人的にはややチューブレスの方が安心感が高い気がした。しかし、最近はtubularも25Cが標準になってきたから、高性能カーボンホイール+25Ctubularでは、印象が逆転するかもしれない(チューブレスは23Cといいながら、全体的に若干太い気がする。その為、好印象だったのかもしれない。因みに、ラテックスチューブが入ったtubularは、ホイールが悪かったにもかかわらず、かなり印象が良かった。高性能カーボンホイールを使って、じっくりと比較したいところだ)。
一方、耐久性に関しては、この後、考えが変わった。AtomもFusion3と同じくひび割れをしてくる。確か、最初は5千キロくらいだったと記憶している。そして、しばらく経つとFusion3よりゴムが薄いためか、ひび割れから空気が漏れ始めた。いわゆるスローパンク状態になったのだ。もちろん、少なくとも3気圧くらいまで下がっても、全くリムから外れることはなかった(クリテリウムレースでも、だ)。
因みに、この空気の抜けは、数千キロ走ったのちに、、ホイールにはめたまま1年置きっぱなしのタイヤでも起こった。 なので、ゴム自体の劣化かもしれない。
その後も、シーラントを入れて使い続けたら、タイヤがつるつるになり始めた。具体的には、触るとすべすべしてきて、また走った後にしっかり拭いてあげると、以前より光沢が増してきた。まだ1万キロに達していなかったと思う。このころになると、コーナーで滑りそうになり、流石に使うのをやめた。 ただ、この“滑りそう”という感触は、かなり明確に伝わってくる。そういった点では、安心感があるタイヤだといえるかもしれない。
しかし、決戦用として、時々しか使わない場合、使用前に、タイヤを触って、劣化していないかしっかり確かめたほうが良いだろう。そして、レース前に試走しておくべきだと思う。劣化した状態で、テクニカルなコースを走ったら、命に関わってくると思うからだ(なお、実際に、Fusion3の方ではあるが、2万キロ前後走ったタイヤで、砂が浮いた路面で滑ってけがをした知人がいる。Atomがかなりつるつるになることを考えると、Fusion3でもありうる話だし、また、どちらにせよ、このような劣化をした場合、滑り始めたら、収拾がつかなくなるはずだから、要注意だろう)。
[3]Maxxis Padrone
ハッチンソンのタイヤを使っていたときは、IRCのタイヤレバーを使っており、チューブレスははめづらい、とずっと感じていた。しかし、Maxxisのタイヤに標準で付属してくるレバーを使った瞬間、その考えが変わった。なんと、クリンチャーと同じ感覚でタイヤがはまるのだ。因みに、Padroneはタイヤ自体もしなやかであった。
はめた時、ビートがはまっているか不安になった。というのもハッチンソンみたいに、パンっ、と勢いのよい音がせず、静かにはまったからだ。実際、最初は空気が抜けやすく感じた。しかし、一度ビートを落とし、再度はめたら、ブチルチューブのクリンチャー並みに抜けなくなった。この時点で、もはや、クリンチャーと比べて、扱いづらさは感じない、と思った。
とはいえ、推奨空気圧の幅が狭いせいか、空気圧のセッティングはなかなか定まらなかった。タイヤ自体がしなやかなせいか、よれる感覚が抜けなかったのだ。結局、これまでより1.5気圧くらい高い空気圧にして、ちょうど良くなった(もちろん、推奨空気圧の範囲内)。
そして、空気圧をこれまでのクリンチャーやチューブラーでは考えられなかった高圧にしているものの、全く滑らないし、乗り心地も良い。耐久性はまだ分からないが、公道ロードレースでも安心して使えた。
(11/3追記)
あまりフィーリングを書いていないことに気付いたので、追記。このタイヤは、一言でいうとかなり食いつきが良い。ギャッと路面をとらえる。実際、荒れた路面ではねてもすぐ食いついてくれるので、かなりコントロール性は良い。振動に関しては、減衰が早いだけでなく、角を丸めてくれる感じがあり、体に優しい。未舗装路も数度走ったが、かなりコントロールしやすかった。もちろん、舗装路でもかなり好印象である。
セッティングのシビアさがなければ、かなり高性能&好印象のタイヤだといえる。あとは、体感できないが、重量はクリンチャーやチューブラーと比べた際にはデメリットになってしまうだろう(転がり抵抗自体はかなり小さいため、重さは全く感じない。とはいえ、気持ちの問題で、やはりもっと軽くしてほしい)。
[4]IRC Formula Pro RBCC
日本が誇る、チューブレスの大御所。マイチェン後の軽量化されたモデルを導入した。
はめる際に感じた固さはハッチンソンと同程度。とはいえMaxxisのタイヤレバーがあるので、一瞬ではまった。噂の通り、このコンパウンドはかなりレベルが高い。グリップ力、振動減衰性にも優れ、よれもなく、高速コーナーで全く不安がない(グリップ力と振動減衰性の高さは、もちろんチューブレスに共通する。はっきり言って、上の3つと比べてどうかと言われても、僕のレベルでは甲乙つけがたい)。むしろ、荒れた下りカーブをハイスピードで突っ込んだときにはリム剛性がもっとほしいと思えたほどだ(アルテグラを使用。例えば、古賀志林道など)。
(11/3追記)
こちらもあまりフィーリングを書いていなかったので、追記。このタイヤは、かなり直進安定性が良い、と最初感じた。なんというか、狙ったラインにスッと入って行く感じだ。これはカーブでも同様。下りでの安心感の高さは随一だ。逆バンクしているようなコーナーでもあまり怖くない。
一方、現時点で感じる弱点としては、固さが挙げられる。衝撃の角があまり丸まっていない為、減衰は早いものの、身体に響く。この衝撃のきつさは、他の3つより明らかに強い感じがある。が、荒れた下りでも、身体には衝撃が来るものの、怖くはないので、下りの性能はかなりハイレベルだ。
今後は、耐久性・耐パンク性がどうなのか、しっかり見極めていきたい。 特に、メーカーがRBCCコンパウンドを全面に使用したことで、耐摩耗性が落ちたと言っているし、また、トップシークレットを使っていて、パンク経験がある知り合いがいるので、その点は注意してみていきたい。ただ、値段を考えると、かなりお買い得だと感じる。
(12/19追記)
約1000㎞ほど乗ったので追記。上では、衝撃がきついと書いたが、その後、推奨空気圧よりさらに低い空気圧を試したところ、全く気にならなくなった。コトコトと、小さい衝撃をすべて減衰してくれて、非常に気持ち良い。 メーカーHPでは乗り心地に関して、高い評価がついていたが、確かに、その通りだ。この低い空気圧でも、タイヤはよれず、コーナーリングスピードはさらに上げられたし、ロードインフォメーションは、更に繊細に伝わってくるようになった。
また、タイヤ自体についてだが、表面に小さい穴がみられるようになった。これが、RBC粒子が抜け落ちた後なのだろうか?(さすがに大きすぎる気もするが、、、)心なしか、グリップ力も上がった気がする。この点は高評価である。ただ、トレッドの摩耗を示す穴の深さが、もとからそこまで深くないので、そういった意味での耐摩耗性は、もう少し長距離を走らないと評価できないだろう。とはいえ、摩耗してもグリップ力が落ちないというのは、極めて好感が持てる。
推奨空気圧より低い空気圧、というのは、危険も伴うので自己責任だが、そういった意味でも、玄人向けのタイヤだと感じる。しかし、セッティングが決まった後の性能は特筆すべきものがある。
ほかの海外メーカーと比べ、華々しい宣伝文句はないが、実力は一線級だと感じている。
(1/12追記)
上では特にコメントしていなかったが、最初、空気の抜け具合はハッチンソンと同等レベルだった。つまり、翌日には少し抜けている感じで、ラテックス以上ブチル未満といった所である。メーカーの空気が抜けづらいという説明と一致しない、と疑問を感じ、いろいろ試したところ、石鹸水を塗る際、泡が小さくなるように、つまり、空気が抜けづらいようにしてビートを上げると、全く空気が抜けなくなった。ブチル以上に抜けない。つまり翌日も、空気圧が全く変わらないのだ。Maxxisもそうだが、このくらい抜けないと、もはやクリンチャーを使うメリットはほぼないとすら感じるくらいだ。
―――
さて、2015年のカンパホイールの新作で、チューブレスが見当たらなかったり、未だマビックがロードチューブレスホイールを出していなかったり、と先行きが少し怪しく感じるチューブレスだが、やはり、一度チューブレスを使うと、戻れない魅力がある。もちろん、性能だけを見ると、ホイールも含めて総合的にはtubularの方が上だとは思うが、練習からレースまでオールラウンドに使う場合、やはり、チューブレスの方が良いのではないかと思う。
デメリットは、やはりリムも含めた際の外周部重量だろうが、IRCのRBCCやFormula Pro Light、ハッチンソンのAtom Galactikなら、もはやクリンチャー並みといえるだろう。そして、はめづらさも、Maxxisのタイヤレバーを用いれば特に問題はない。
その上で、グリップ力・振動減衰性・耐パンク性が高いとなると、やはり魅力的だ。とはいえ、上に挙げた4種類だけでも、各社一長一短があると考えると、まだまだ発展途上のタイヤなんだな、とは感じる。 今後に期待しつつ、チューブレスを使っていきたいと思う。
[関連記事]
チューブラータイヤ各種インプレ
続編;チューブレスタイヤ インプレまとめVol.2
[続編も書きました]
[1]ハッチンソン Fusion3 Tubless 長期レポート(→以前のインプレ)
性能面に関して、特に追記することはないが、耐久性と耐パンク性に関して追記したい。
Fusion3を使っていて、一番気になったのは、ひび割れである。ネット上でも確かに、ひびが割れやすいという情報はあったが、確かに数千キロで、かなり割れてきた。しかし、別に空気が抜けるということもなく、そのまま使ってみた。
さすがに1万キロを超えると、かなり深いひびも出てきて、怖かったので、クリンチャーとして使用。この段階でも、まだグリップ力は維持されていた。少なくとも1万5千キロまでは、下りを攻めるような使い方をしたが、大丈夫だった(レースではさすがに使っていないので、その領域では何とも言えない)。下の写真の状態で、約2万キロ。流石にロードではなく、クロスバイクで使用。時速30㎞/h前後では、下りでも問題はない。高速域は不明(ただ、後述するように、危険だとは思う)。ともかく、この耐久性の高さは、特筆すべきだろう。もちろん、ここまでパンクはゼロだ(インナーチューブはミドルグレードのものを使用)。
Fusion3の驚異の耐久性 |
とはいえ、これは、Fusion3の重さとも関係があるのではないか、と思う。チューブラーと比べると、はっきり言って、Fusion3は重さを感じた。 そういった点から結論付けると、Fusion3は最高のトレーニング&ツーリング用タイヤだろう。
[2]ハッチンソン Atom Tubless(→以前のインプレ)
Atomはレースを中心に、様々なシチュエーションで使用した |
一方、耐久性に関しては、この後、考えが変わった。AtomもFusion3と同じくひび割れをしてくる。確か、最初は5千キロくらいだったと記憶している。そして、しばらく経つとFusion3よりゴムが薄いためか、ひび割れから空気が漏れ始めた。いわゆるスローパンク状態になったのだ。もちろん、少なくとも3気圧くらいまで下がっても、全くリムから外れることはなかった(クリテリウムレースでも、だ)。
因みに、この空気の抜けは、数千キロ走ったのちに、、ホイールにはめたまま1年置きっぱなしのタイヤでも起こった。 なので、ゴム自体の劣化かもしれない。
その後も、シーラントを入れて使い続けたら、タイヤがつるつるになり始めた。具体的には、触るとすべすべしてきて、また走った後にしっかり拭いてあげると、以前より光沢が増してきた。まだ1万キロに達していなかったと思う。このころになると、コーナーで滑りそうになり、流石に使うのをやめた。 ただ、この“滑りそう”という感触は、かなり明確に伝わってくる。そういった点では、安心感があるタイヤだといえるかもしれない。
しかし、決戦用として、時々しか使わない場合、使用前に、タイヤを触って、劣化していないかしっかり確かめたほうが良いだろう。そして、レース前に試走しておくべきだと思う。劣化した状態で、テクニカルなコースを走ったら、命に関わってくると思うからだ(なお、実際に、Fusion3の方ではあるが、2万キロ前後走ったタイヤで、砂が浮いた路面で滑ってけがをした知人がいる。Atomがかなりつるつるになることを考えると、Fusion3でもありうる話だし、また、どちらにせよ、このような劣化をした場合、滑り始めたら、収拾がつかなくなるはずだから、要注意だろう)。
[3]Maxxis Padrone
ハッチンソンのタイヤを使っていたときは、IRCのタイヤレバーを使っており、チューブレスははめづらい、とずっと感じていた。しかし、Maxxisのタイヤに標準で付属してくるレバーを使った瞬間、その考えが変わった。なんと、クリンチャーと同じ感覚でタイヤがはまるのだ。因みに、Padroneはタイヤ自体もしなやかであった。
はめた時、ビートがはまっているか不安になった。というのもハッチンソンみたいに、パンっ、と勢いのよい音がせず、静かにはまったからだ。実際、最初は空気が抜けやすく感じた。しかし、一度ビートを落とし、再度はめたら、ブチルチューブのクリンチャー並みに抜けなくなった。この時点で、もはや、クリンチャーと比べて、扱いづらさは感じない、と思った。
とはいえ、推奨空気圧の幅が狭いせいか、空気圧のセッティングはなかなか定まらなかった。タイヤ自体がしなやかなせいか、よれる感覚が抜けなかったのだ。結局、これまでより1.5気圧くらい高い空気圧にして、ちょうど良くなった(もちろん、推奨空気圧の範囲内)。
そして、空気圧をこれまでのクリンチャーやチューブラーでは考えられなかった高圧にしているものの、全く滑らないし、乗り心地も良い。耐久性はまだ分からないが、公道ロードレースでも安心して使えた。
(11/3追記)
あまりフィーリングを書いていないことに気付いたので、追記。このタイヤは、一言でいうとかなり食いつきが良い。ギャッと路面をとらえる。実際、荒れた路面ではねてもすぐ食いついてくれるので、かなりコントロール性は良い。振動に関しては、減衰が早いだけでなく、角を丸めてくれる感じがあり、体に優しい。未舗装路も数度走ったが、かなりコントロールしやすかった。もちろん、舗装路でもかなり好印象である。
セッティングのシビアさがなければ、かなり高性能&好印象のタイヤだといえる。あとは、体感できないが、重量はクリンチャーやチューブラーと比べた際にはデメリットになってしまうだろう(転がり抵抗自体はかなり小さいため、重さは全く感じない。とはいえ、気持ちの問題で、やはりもっと軽くしてほしい)。
[4]IRC Formula Pro RBCC
日本が誇る、チューブレスの大御所。マイチェン後の軽量化されたモデルを導入した。
マイナーチェンジ後のモデルを使用 |
(11/3追記)
こちらもあまりフィーリングを書いていなかったので、追記。このタイヤは、かなり直進安定性が良い、と最初感じた。なんというか、狙ったラインにスッと入って行く感じだ。これはカーブでも同様。下りでの安心感の高さは随一だ。逆バンクしているようなコーナーでもあまり怖くない。
一方、現時点で感じる弱点としては、固さが挙げられる。衝撃の角があまり丸まっていない為、減衰は早いものの、身体に響く。この衝撃のきつさは、他の3つより明らかに強い感じがある。が、荒れた下りでも、身体には衝撃が来るものの、怖くはないので、下りの性能はかなりハイレベルだ。
今後は、耐久性・耐パンク性がどうなのか、しっかり見極めていきたい。 特に、メーカーがRBCCコンパウンドを全面に使用したことで、耐摩耗性が落ちたと言っているし、また、トップシークレットを使っていて、パンク経験がある知り合いがいるので、その点は注意してみていきたい。ただ、値段を考えると、かなりお買い得だと感じる。
(12/19追記)
約1000㎞ほど乗ったので追記。上では、衝撃がきついと書いたが、その後、推奨空気圧よりさらに低い空気圧を試したところ、全く気にならなくなった。コトコトと、小さい衝撃をすべて減衰してくれて、非常に気持ち良い。 メーカーHPでは乗り心地に関して、高い評価がついていたが、確かに、その通りだ。この低い空気圧でも、タイヤはよれず、コーナーリングスピードはさらに上げられたし、ロードインフォメーションは、更に繊細に伝わってくるようになった。
また、タイヤ自体についてだが、表面に小さい穴がみられるようになった。これが、RBC粒子が抜け落ちた後なのだろうか?(さすがに大きすぎる気もするが、、、)心なしか、グリップ力も上がった気がする。この点は高評価である。ただ、トレッドの摩耗を示す穴の深さが、もとからそこまで深くないので、そういった意味での耐摩耗性は、もう少し長距離を走らないと評価できないだろう。とはいえ、摩耗してもグリップ力が落ちないというのは、極めて好感が持てる。
推奨空気圧より低い空気圧、というのは、危険も伴うので自己責任だが、そういった意味でも、玄人向けのタイヤだと感じる。しかし、セッティングが決まった後の性能は特筆すべきものがある。
ほかの海外メーカーと比べ、華々しい宣伝文句はないが、実力は一線級だと感じている。
(1/12追記)
上では特にコメントしていなかったが、最初、空気の抜け具合はハッチンソンと同等レベルだった。つまり、翌日には少し抜けている感じで、ラテックス以上ブチル未満といった所である。メーカーの空気が抜けづらいという説明と一致しない、と疑問を感じ、いろいろ試したところ、石鹸水を塗る際、泡が小さくなるように、つまり、空気が抜けづらいようにしてビートを上げると、全く空気が抜けなくなった。ブチル以上に抜けない。つまり翌日も、空気圧が全く変わらないのだ。Maxxisもそうだが、このくらい抜けないと、もはやクリンチャーを使うメリットはほぼないとすら感じるくらいだ。
―――
さて、2015年のカンパホイールの新作で、チューブレスが見当たらなかったり、未だマビックがロードチューブレスホイールを出していなかったり、と先行きが少し怪しく感じるチューブレスだが、やはり、一度チューブレスを使うと、戻れない魅力がある。もちろん、性能だけを見ると、ホイールも含めて総合的にはtubularの方が上だとは思うが、練習からレースまでオールラウンドに使う場合、やはり、チューブレスの方が良いのではないかと思う。
デメリットは、やはりリムも含めた際の外周部重量だろうが、IRCのRBCCやFormula Pro Light、ハッチンソンのAtom Galactikなら、もはやクリンチャー並みといえるだろう。そして、はめづらさも、Maxxisのタイヤレバーを用いれば特に問題はない。
その上で、グリップ力・振動減衰性・耐パンク性が高いとなると、やはり魅力的だ。とはいえ、上に挙げた4種類だけでも、各社一長一短があると考えると、まだまだ発展途上のタイヤなんだな、とは感じる。 今後に期待しつつ、チューブレスを使っていきたいと思う。
[関連記事]
チューブラータイヤ各種インプレ
続編;チューブレスタイヤ インプレまとめVol.2
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