(前の記事から続いています)
[カーボンクランクのメリットは?①-剛性考]
さて、本題に入ろう。長距離を走っていて、体力を奪う要素は何か?僕はその一つに振動を挙げたい。
アマンダの千葉さんの影響もあるかもしれないが、確かにタイヤやインナーチューブによって微振動を減らすと、バイクが良く進む気がするし、空気圧を上げすぎると、全然進まないし、疲れる。というわけで、振動に関する考察をしようと思うのだが、その前に、それに関連して、剛性に関する勝手な私見を述べたいと思う。
それは、各パーツについて、高剛性が絶対、という図式は成り立たないのではないだろうか、といううことだ。もちろん、今回のフルクラムクランクが、なぜか使っていて気持ちよかったからだけでなく、もう一つ、以下のような経験をしているからだ。
以前、某峠における経験だが、知り合いの”SPECIALIZED S-WORKS TARMAC SL3+EASTON EA90AERO” という組み合わせのバイクと自分のバイクを比較する機会に恵まれた。当時、最高にテンションを上げたユーラスはものすごい剛性感で、まるで板の様であった。
ターマックというと、高剛性というインプレしか見たことがないし、硬いフレームの典型だと考えてよいだろうし、EA90AEROも、同様のインプレばかり聞く。しかし、何と、”意外としなやか”なはずの、”デダチャイ7003チューブ+ユーラス”の組み合わせの方が、明らかに剛性感が高かったのだ。むしろ、ターマックの方に”良い意味での”しなりを感じた一方、自分のバイクは、がちがちで、本当にしなりがなかった。
自分が踏めるレベルの勾配における、最高到達速度は、両者ともにほぼ一致していたが、筋肉への負担は、明らかに自分のバイクの方が上、心拍数は測れなかったが、自分のバイクでは、精いっぱい頑張ってやっとスピードを出せている一方、ターマックでは、余裕をもって同じスピードを出すことができた。ダンシングでは、自分のバイクの方が若干反応が良いが(立ち上がりが早い)、そのスピードの維持は、ターマックの方が明らかに楽、総合的にもターマックのほうが速い(速度が最高になったのは、その峠の頂上の手前でアタックした時の比較で、全体では、若干ターマックのほうが速かった。しかし、自分のバイクの方が”踏んでいる感”=”進んでいる感”があるのだが、実際のスピードは自分の感覚より遅く、ターマックは逆に、自分の感覚より実際のスピードが速い感じだった。わずかな差であるが)。
もちろん、ターマックは柔らかくない。踏むと芯があり、強烈に楽しい。ヘッドは高剛性で、ハンドリングもニュートラルで扱いやすく、安定している。スピードの乗りも良いし、レース用のロードバイクとして最高、と実感した。正直欲しくなった。
そして、その日の自分の走りとバイクのフィーリングを分析すると、平地での速度維持と低速からのスピードの乗りは強烈に良く、低速からのダッシュは最高に楽しかったのだが、上りになると、走りが一気に重くなり、スピードが一気に落ちていたことが分かった。その日は一応140㎞を走り切ったのだが、頑張ったつもりであったのに、自分の頑張りに比べて、明らかに平均速度は低かった。要するに、体への負担は非常に大きかったのだろう(ちなみに、その日はとても調子が良かった)。距離を考えると、体力さえあれば、高剛性のバイクを使いこなせる、というよくあるフレーズを裏付けることになるのだろうが、実際は、その距離を毎日走るのは僕レベルでは不可能だし、ロスが大きい気がした(要は、ターマックで走ったほうが速いという意味)。
実は、シマノのアルミクランクに比べ、フルクラムのカーボンクランクはまさにターマックのような印象を僕に与えてくれた。あたりは柔らかいが、実際の剛性は高い(芯はあるけど、よい意味でしなりを感じるフレームと同じ。実際にしなっているわけではないが、カーボンの特性なのか、柔らかく感じる)。剛性感はシマノのクランクの方が高いが、速度の最高到達地点はほぼ一緒、その速度を出して楽なのは、明らかにフルクラム、維持もフルクラムの方が楽。アルミクランクの場合、精いっぱい踏み込んで、一瞬その速度が出る、という有様であったが、フルクラムは余裕をもってその速度を出せる。
さらに付け加えれば、ユーラスも同様。踏んでいる感は少ないが、自分の感覚以上に速度が出ているホイールである。僕は剛性感がほしくて、テンションを上げたが、それでも、体への負担は少ないように思える。短距離だと、よい印象はないだろうが、長距離を走ると差が出ているのではないだろうか。
やはり、剛性があることが前提にはなるが(剛性が低すぎると、明らかに反応が落ち、速度の最高到達地点も落ちる)、体に負担がかかる、ガチガチの機材は、長い目で見ると(要は長距離を走るなどすると)ロスが大きいのではないだろうか。
上の文章は、客観的な実験データを伴わない、あくまでも、個人の主観による意見ですが、参考になれば幸いです。
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さて、本題に入ろう。長距離を走っていて、体力を奪う要素は何か?僕はその一つに振動を挙げたい。
アマンダの千葉さんの影響もあるかもしれないが、確かにタイヤやインナーチューブによって微振動を減らすと、バイクが良く進む気がするし、空気圧を上げすぎると、全然進まないし、疲れる。というわけで、振動に関する考察をしようと思うのだが、その前に、それに関連して、剛性に関する勝手な私見を述べたいと思う。
それは、各パーツについて、高剛性が絶対、という図式は成り立たないのではないだろうか、といううことだ。もちろん、今回のフルクラムクランクが、なぜか使っていて気持ちよかったからだけでなく、もう一つ、以下のような経験をしているからだ。
以前、某峠における経験だが、知り合いの”SPECIALIZED S-WORKS TARMAC SL3+EASTON EA90AERO” という組み合わせのバイクと自分のバイクを比較する機会に恵まれた。当時、最高にテンションを上げたユーラスはものすごい剛性感で、まるで板の様であった。
ターマックというと、高剛性というインプレしか見たことがないし、硬いフレームの典型だと考えてよいだろうし、EA90AEROも、同様のインプレばかり聞く。しかし、何と、”意外としなやか”なはずの、”デダチャイ7003チューブ+ユーラス”の組み合わせの方が、明らかに剛性感が高かったのだ。むしろ、ターマックの方に”良い意味での”しなりを感じた一方、自分のバイクは、がちがちで、本当にしなりがなかった。
自分が踏めるレベルの勾配における、最高到達速度は、両者ともにほぼ一致していたが、筋肉への負担は、明らかに自分のバイクの方が上、心拍数は測れなかったが、自分のバイクでは、精いっぱい頑張ってやっとスピードを出せている一方、ターマックでは、余裕をもって同じスピードを出すことができた。ダンシングでは、自分のバイクの方が若干反応が良いが(立ち上がりが早い)、そのスピードの維持は、ターマックの方が明らかに楽、総合的にもターマックのほうが速い(速度が最高になったのは、その峠の頂上の手前でアタックした時の比較で、全体では、若干ターマックのほうが速かった。しかし、自分のバイクの方が”踏んでいる感”=”進んでいる感”があるのだが、実際のスピードは自分の感覚より遅く、ターマックは逆に、自分の感覚より実際のスピードが速い感じだった。わずかな差であるが)。
もちろん、ターマックは柔らかくない。踏むと芯があり、強烈に楽しい。ヘッドは高剛性で、ハンドリングもニュートラルで扱いやすく、安定している。スピードの乗りも良いし、レース用のロードバイクとして最高、と実感した。正直欲しくなった。
そして、その日の自分の走りとバイクのフィーリングを分析すると、平地での速度維持と低速からのスピードの乗りは強烈に良く、低速からのダッシュは最高に楽しかったのだが、上りになると、走りが一気に重くなり、スピードが一気に落ちていたことが分かった。その日は一応140㎞を走り切ったのだが、頑張ったつもりであったのに、自分の頑張りに比べて、明らかに平均速度は低かった。要するに、体への負担は非常に大きかったのだろう(ちなみに、その日はとても調子が良かった)。距離を考えると、体力さえあれば、高剛性のバイクを使いこなせる、というよくあるフレーズを裏付けることになるのだろうが、実際は、その距離を毎日走るのは僕レベルでは不可能だし、ロスが大きい気がした(要は、ターマックで走ったほうが速いという意味)。
実は、シマノのアルミクランクに比べ、フルクラムのカーボンクランクはまさにターマックのような印象を僕に与えてくれた。あたりは柔らかいが、実際の剛性は高い(芯はあるけど、よい意味でしなりを感じるフレームと同じ。実際にしなっているわけではないが、カーボンの特性なのか、柔らかく感じる)。剛性感はシマノのクランクの方が高いが、速度の最高到達地点はほぼ一緒、その速度を出して楽なのは、明らかにフルクラム、維持もフルクラムの方が楽。アルミクランクの場合、精いっぱい踏み込んで、一瞬その速度が出る、という有様であったが、フルクラムは余裕をもってその速度を出せる。
さらに付け加えれば、ユーラスも同様。踏んでいる感は少ないが、自分の感覚以上に速度が出ているホイールである。僕は剛性感がほしくて、テンションを上げたが、それでも、体への負担は少ないように思える。短距離だと、よい印象はないだろうが、長距離を走ると差が出ているのではないだろうか。
やはり、剛性があることが前提にはなるが(剛性が低すぎると、明らかに反応が落ち、速度の最高到達地点も落ちる)、体に負担がかかる、ガチガチの機材は、長い目で見ると(要は長距離を走るなどすると)ロスが大きいのではないだろうか。
上の文章は、客観的な実験データを伴わない、あくまでも、個人の主観による意見ですが、参考になれば幸いです。
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