よく進むロードバイクにするには―パーツ考 3.フュージョン3のメリットは?③

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さすがに、和田峠レベルの悪路だと、下りは少し大変だが、パンクにも強いし、グリップも十分あるから、安心。

[トラクションのかかり、ロードインフォメーション、グリップ]
路面への食いつきは、コンチネンタル フォース+ミシュランのラテックスチューブより、若干良いような気がする。チューブレスの方がトラクションのかかりが良い、というインプレを見かけたことがあるが、確かに、そういう表現がされても納得できる。ただ、当然少しの差だから、別に、明らかに速くなるわけではない。練習の差の方が大きいだろう。
また、食いつきの多さから、ロードインフォメーションの伝わり方も良い。ただ、高級クリンチャー+ラテックスチューブor軽量ブチルチューブや、チューブラータイヤを経験している人なら、驚きはしないだろう。正直に言うと、ハッチンソン アトムチューブレスと比べると、ゴムの厚さからなのか、路面の情報の伝え方が、少し鈍く感じる(アトムのインプレは、この後書きます)。もう少ししっかりインフォメーションが伝わってこないと、攻められない。というより、限界がよく分からない。ただ、グリップの限界がかなり高いので、怖くても、かなりのペースでカーブを駆け抜けることができる。振動減衰性の高さから、路面が荒れていても、怖くない。カーボンホイール+グリップ力の高いチューブラータイヤと比べると、フュージョン3だと少し劣るが、アトムなら良い勝負なので、チューブレスの今後には、かなり期待できる((雑誌などのインプレを参照する限り)絶対的なグリップはチューブレスの方が高いのかもしれないが、安心感も含めると、やっぱり、チューブラーにもいまだ魅力があると思う)。

ともかく、クリンチャーと比べると、かなりグリップの限界が高く、下りが早くなったような錯覚を覚えるのは、事実だ。何しろ、トリプルコンパウンドなので、オーバースピードでコーナーに突入しても、車体を倒すことで対応できる。 少し、きたないラインどりをして下っても、どうにかつじつまが合ってしまう。逆に、初めからこんなハイグリップのタイヤを使ったら、きれいな下り方が身につかないのでは、と思ってしまう(僕自身、一時期下り方が下手になったと知り合いに指摘され、このハイグリップのせいで、少し、極端なラインを攻めていたことに気付いた)。

グリップ力、フィーリングは、最高級のクリンチャーと同等レベル、振動減衰性を含めた安心感では、同等以上といえるだろう。チューブラーのような素直な感触ではなく、あくまでも高性能クリンチャーの延長にあるが、性能が良いわけだから、これはこれで、好きだ。クセになるフィーリングだ。

また、横方向のグリップも良く、リアブレーキを強くかけても、あまり横滑りせず、滑ってもコントロールがしやすい。実は、この後(今現在)チューブラーに戻ったのだが、最初は、ブレーキの際に、何度が横滑りさせてしまった。ここからも、チューブレスのグリップ力の高さが垣間見える(もちろん、最高級のチューブラーと比べると、わずかな差だし、チューブラーは、断面が円いから、横方向には、少し滑りやすいのでは、と考察している)。

後、もう一点追加すると、砂が浮いている路面でも、しっかりコントロールできた。こういうところでは、一部のクリンチャーは滑ってしまうこともあるが、フュージョン3 は、しっかり食いついてくれた。ただ、後で、タイヤ表面を見ると、かなり深い傷がいくつも見られた。また、1シーズン使うと、ひび割れもかなりある。日本の路面の温度との相性なのだろうが、これでもパンクしない、ということは、かなりゴムが厚いことの裏返しでもある。

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