Tubolito tubo roadインプレ (2021/7/4追記)

 今回は珍しくインナーチューブのインプレ。もともとは筋金入りのチューブレス信者で(参考記事①参考記事②)、最後にローラー以外でクリンチャーを使ったのはいつだろうというレベルであったが、注文ミスという単純な理由で久々にクリンチャーを使用しており、今回、最近話題のTubolitoを導入したのでインプレしたい。
ちなみにこの直前には、定番製品でもあるPanaracer R'Airを使用していたので、主にそちらとの比較とお考えいただきたい。
 


【重量】 
折角の軽量チューブとのことで今回は重量を測定。バルブ長60mmのカタログ重量は39gであるが、実測でも41gと優秀な値。
【取り付け】
取り付けしやすさに関しては、割とイージーなほうに入ると感じた。複数のブログで指摘されているが、ポリウレタン製ということで、一度伸びると元に戻らないので、タイヤに入れる前に空気を入れすぎないこと、タイヤに入れた後、高圧にしすぎないことが注意点ではあるが、どちらにせよ、滑りが良く、装着はカンタンであった。


 

強いて問題点を挙げれば、今回、3000㎞くらい走ったタイヤであったためか、均一にビートが上がらなかったことが多少気になった。とはいえ、一晩放置したら多少改善したので、そのままとしている。

【インプレッション】
第一印象は、とにかくよく進む、ということであった。今回、フロントのみの装着であるため、外周部の軽さについてはあまり実感できなかったが、多少振りが軽い感じはした。感触としてはチューブ自体が硬質であるためか、乗り心地が良いのに路面状況が良く伝わってくる、敢えて言葉で表現するなら、コシがある、といった感触であり、とても好印象であった。
また、初期モデルではバルブ周囲の空気漏れや、バルブの抜けなどのトラブルがみられたようだが、既に改良が加わっているようで、今回、特に不安は感じなかった。実際、一晩おいても空気の抜けはせいぜい0.5気圧程度なので、実用面では全く問題はなかった。
1か月使用してみても、放置した際の空気の抜けの少なさが印象的で、ラテックスより扱いやすい印象である。軽さに関しては、身体が慣れてしまうと、より感じにくくなるが、知らないうちにアドバンテージになっているものと思われる。接地感もしっかりしているのでコーナーも安心できる(もちろん、これはタイヤの銘柄や空気圧の影響も大きいと思われるが)。

【おススメか?】
これは非常に難しい議論である。どうも、理論上はラテックスの方が転がりが軽いようだ。また、前回ラテックスチューブを使用したのがだいぶ前なので、自信はないが、ラテックスの方がよりまろやかな走行感だったと記憶している。
加えて、クリンチャータイヤとチューブレスタイヤの重量差というのは、だいぶ縮まってきている。例えばVittoriaのCorsa同士で比較するとチューブレスとクリンチャーの重量差はカタログ上35-40g程度であり、Campagnoloのシャマルの2Wayとクリンチャーの重量差は26gである。となると、シーラントを含めて考えても、軽量ブチルであればほぼ同じ重量、Tubolitoにしてやっと30g程度軽くなるということになるのではないか。性能を考えると、その前後で100g弱の重量減にこだわるより、チューブレスタイヤを使った方が良い気がする。
また、仮にクリンチャーにこだわるとしても、現在はSOYOのラテックスという、軽量ラテックスの選択肢がある。値段もほぼ半額なため、正直Tubolitoは分が悪い。さらに言えば、重量さえ気にしなければVittoriaのラテックスチューブであれば、軽量ブチルと変わらない値段で手に入る(重さも変わらないという意味では別に性能が悪いわけではない)。
となると、Tubolitoを特に勧められる人は、例えば、Roval Rapide/Alpinistといったクリンチャー専用ホイールでとにかく軽さを求めたいという要望だったり、ブルべを含めた超ロングライドがメインで、空気保持性を求めており、かつインナーチューブに軽さを求める(超ロングライドに行く人が軽さを求めるかは分からないが)といった割とニッチな場合だったり、高性能インナーチューブが欲しいが空気管理は楽をしたいといった、値段を気にせず自分の要望を優先したい場合だったりではないだろうか。値段と性能のバランスでいえば、軽量ブチルや安価なラテックスを、性能だけを求めても軽量ラテックスの方が冷静に良い気がする。
とはいえ、技術的な新しさは面白いし、今後、もし主流になってくれば値段も下がってくるだろうし、将来性という意味ではとても期待できる製品である。なんだかんだ買って満足している。

【長期インプレ(2021/7/4追記)】
諸事情あって4か月1000㎞程度の走行で使用を終えた。この間、特にパンクも無く、空気抜けも少なく、特筆すべきことはなかった。
取り出したインナーチューブは伸びており、噂通り再利用不可である。

軽量インナーチューブの場合、なんだかんだ取り出しの時に傷つけたりして再利用できない場合もあるとはいえ、こちらは確実に再利用不可という意味ではコストパフォーマンスが低いと言っても良いだろう。どちらかというとコストのことを気にせず性能を求めたい、という場合に適するチューブだと感じた。

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