チューブレスタイヤ インプレまとめvol.2

【Schwalbe pro one tubless easyとIRC FORMULA PRO TUBELESS RBCC 2016年モデルのインプレッションです】

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これまで約7年にわたり、チューブレスタイヤを愛用してきた。その間、主にハッチンソンとIRCは進化を続け、そして、チューブレスやチューブレスレディに参入するメーカーもだいぶ増えてきた。
しかし、ホイールはあまり進化していない。僕自身2011年モデルのユーラスをずっと使っているが、実際この間、シャマル&ユーラスのMEGA G3化とシャマル&レーシングゼロのリム幅拡幅程度しか進化しておらず、買い替えるモチベーションになるほどの大幅性能アップはなされていない。R9100系デュラエースではディスクブレーキモデル以外でチューブレスが選択できなくなった一方、MAVICがチューブレスに進出したのが大きなトピックだろう。
しかし、カンパにせよMAVICにせよ、エグザリットのチューブレスはないし、もちろんプロの使用率は増えておらず(今の所NIPPOで一部選手が特定のレースで使うだけ?)、まだまだ決戦用機材としては魅力的とは言い難い。

とはいえ、10年もの長きにわたりコツコツ開発を続けてきたIRCの最新作である新型のFormula Proと、後発とはいえチューブラーやクリンチャーで高評価のタイヤを作り続けてきたシュワルベが出したpro one tubless easy、この最新のチューブレスタイヤがいかなる性能を持っているのか、インプレをお伝えしたい。

[1] Schwalbe pro one tubless easy インプレ(2017/4/27に一度アップした記事を加筆訂正)

関連記事にあるように、主要メーカーのタイヤは大体使ってきたが、その中でシュワルベのみ使っていなかったので、1年強使用したうえでのインプレをお届けしたい。尚、チューブラーバージョンのインプレはこちら

シュワルベワンは、スペック上は大したことがない。軽くもないし、価格が安いわけでもなく、また性能面で特に強いアピールをしている部分もない。ともかく、シュワルベの最新スペックであるワンシリーズのチューブレス、というだけである。
チューブレスとしては後発のわりに、特記事項がないので、当たり障りのないタイヤだったらどうしよう、という一抹の不安のもと、はめてみた。
。。。とイントロを書いたところで改めて自分のタイヤを見直したらプロワンだった笑
1年間ワンだと思っていたのだが、海外通販のよくあるやつで、実はプロワンだった模様。もちろん、だからと言ってインプレ内容は変わらないので、以下はワンのチューブレスではなくプロワンのチューブレスイージーのインプレである。

はめるときに感じたのは精度の高さ。しっかりはまっていく感じがある。ビートがしっかり作ってあるのだろう。チューブレスを開発する際は、恐らく空気の抜けの対策が一番重要になってくるだろうが、そこをしっかりクリアしている製品だと感じる。空気の抜けに関しては、最初から気にならなかった。

フィーリングは独特である。どっしりとした、まるで高級車に乗っているようなフィーリング。レース用のタイヤの多くはレーシングカーをイメージさせるフィーリングのものが多いが、これはゴムが厚めの印象。加えて、23Cよりも少し幅が広いのか、安定感が高かった(見た目的にもいわゆる23Cとしては太目に思える)。
衝撃をどすっといなすので、体重が重い人にとっては最適なフィーリングなのではないだろうか。体重が軽い僕の場合、ずっしり振動がひびくが、慣れれば問題ない。
最初はワンだと思い込んでいたため、スペック上の重さ(305g)のわりに重さを感じないな、 と思っていたが、プロワン(カタログ上235g)なので、当然である。チューブラーバージョンでも感じたが、転がり抵抗は軽い。

グリップ力はチューブラー同様、非常に高い。更に、チューブラーの時に感じたつるつる感が弱まっており、接地感がしっかりある。なお、使っていく事で表面が削れたら、グリップ感は更に良くなった。かなり強い雨が降った日も何度か使っているが、全く滑る気配は見せず、コンパウンドのグリップ力はかなり高そうである。
このチューブラー以上の評価の高さが、チューブラーの方は24mmなのに対しこちらは23Cを使ったためなのか(僕の体重では太いタイヤはフィーリングが合わない)、トレッドパターンによるものなのか、もしくはタイヤの構造によるものなのか(少なくとも剛性はチューブレス>チューブラーのはずである)分からないが、ともかく、良いタイヤであることは確かだ(チューブラーもトレッドパターンが変わってプロワンに進化しているという事は、フィーリングが改善されたかもしれない)。

なお1年間チューブレスイージーではなく、チューブレスだと思い込んで使っていたため、シーラントは入れていなかったところ、一回だけリアがパンクした。しかし、これもシーラントを入れてすぐ復活。なおフロントはずっとシーラントを入れていないが、空気の抜けなどのトラブルもなく、チューブレスとして使ってしまっても、少なくとも僕の体重と使用ホイール(ユーラス)の場合、問題なさそうである(自己責任でお願いします)。また、トレーニング用として少なくとも5000㎞以上は走ってるはずだが、グリップ力の低下は今のところあまり感じていない(1年使ったことによる劣化・グリップ力低下は少し感じるが、まだ気になるほど大幅な性能低下ではない)。最終的には7000㎞程度使った段階で、リアに関して摩耗でケーシングが見えてきたこと、そして若干雨天グリップが落ちてきた感触があったのでお役御免となった。なお、グリップ力が落ちてきたように感じたものの、グリップ感は変わらずしっかりしていたので、最後まで安心して使いきれた。
シーラントを入れてしまうと、重量面でのビハインドが大きくなりそうだし、シーラントを使わないでの使用は推奨できないが、それらが気にならなければお勧めのタイヤである。

[2] IRC FORMULA PRO TUBELESS RBCC 2016年モデルインプレ
IRCのFORMULA PROは前作も愛用していたが、モデルチェンジした新型を早速導入したのでインプレ。
前作もかなりハイレベルのグリップ力&振動減衰性を持っていたが、個人的に感じていたデメリットとして、少し固さがみられること、適切にはめないと空気の抜けが早いこと、そしてインプレには記していないが、長期使用してトレッド面がある程度削れると一気にグリップ力が低下することが挙げられた。
その辺も踏まえ、慎重にインプレを行った。

今回は、上で述べたPro Oneのケーシングが見えてきたことで、急遽買い替えを行ったため、在庫があった25Cを導入した。普段タイヤは23Cを使うので例外的ではあるがしょうがない。しかし、Pro Oneが23Cにしては太かったため、実際の太さはほとんど変わらなかった。こちらの25Cは細身かもしれない。

リムが細身で太いタイヤ向けではないこともあってか、少し嵌めにくかった。さらに言えば、タイヤを伸ばしてもあまり伸びず、TPIが低いのではないかという印象。但しタイヤの精度はかなり高いようで、全く音もなくするっとはまった。
更に、リアに関しては、方向指示があることに気づかず、嵌めなおしを行ったが、全く問題なかった。なお、石鹸水はほとんど泡立てていない。

ファーストインプレッションで感じたのは”安心感”。これまで感じたことのないような、路面を捉えていることがよく伝わってくる、独特のフィーリングである。
今回、空気圧は推奨空気圧の下限である6気圧にしたが、体重の影響で、さすがに少しエアボリュームが多い感じはあったものの、ほぼ固さは感じず、ドスンとしっかり振動をいなしてくれ、好印象だった。転がり抵抗の小ささからか重さもほとんど感じず、その点も好印象。

ドライ路面もウエット路面も何度も走ったが、ウエットでも雨が降っていることを感じさせない、かなりのハイグリップで、またドライでは何度かオーバースピードで突っ込んでみたが、全然破綻するそぶりを見せなかった。スリックだった前作の方が若干接地面積が広い感じ(ベタっと食いつく感じ)があった気がするが、グリップ力自体は高いし、路面のフィーリングはしっかり伝わってくるので問題ない。体重の関係で、恐らく23Cの方がシャープに動いてくれるんだろうな、という感じはあったが、ほぼ不満はなく、こういうタイヤがあるなら、拡幅リムのホイールに買い替えてもよいかな、と思った(これが、チューブラーだと未だに、しなやかさの問題なのか25Cはフィーリングが合わない)。あと少しだけ軽くしなやかなフィーリングの25Cタイヤが出始めたら、本気で買い替えを検討したい。
また、サイドまでトレッドパターンが刻まれているおかげか、荒れている路面を下っているときの安心感は際立って高かった。体重の影響で、下りで路面があれていると跳ねることがあるが、そういった場合でも常に接地感が得られ、安心して命を預けられるタイヤである。
そして、あえて落石が多い道も走ってみたが、もちろん明らかにとがった石は避けて走っているとはいえ、タイヤ表面の傷はほぼ見られず、耐パンク性も高そうである。

まだ、コンパウンドが削れるほどは使っていないので、そのレベルでの長期耐久性は後ほど加筆したい。

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最新のチューブレス2本、 どちらも絶賛できる内容であった。タイヤ自体の性能では、間違いなくクリンチャーでもチューブラーでもなく、チューブレスが一番高いと思う。ただ、構造上、どうしてもホイールシステムとしては軽さと剛性のバランス、そして空気抵抗の面でチューブラータイヤ&ディープリムに劣ってしまうだろう。
最近、チューブレスレディのホイールも各社から出てきたが、正真正銘のチューブレスのカーボンリムホイールや、もしくはアルミの最高級チューブレスホイールが出てくれば、決戦用タイヤシステムとして強くお勧めできるステージまで来るのではないかと感じる。あともう一息!

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