これまで使用してきた丸ハンドルのプチインプレ

最近、Specialized S-Works Aerofly Ⅱを導入し、インプレを書こうと思った。

しかし、その前にこれまで使い続けた丸ハンドル達への惜別の念を書き続けたら意外と長くなり、一記事分になったので公開させて頂く。

Aeroflyインプレは数か月以内に公開予定ですので乞ご期待!(実走での走行距離を稼いだうえで書き足す予定ですので、現在の社会情勢の関係上、公開時期が読めない点をご了承ください)

<丸ハンドルとの決別;これまで使用してきた丸ハンドルのプチインプレ>
自転車競技を本格的に始めた大学時代からずっと丸ハンドル(シャロ―ハンドル)にこだわってきて、今回、本当に久々の丸ハンドル以外のハンドルなので、丸ハンドルについて語らせて頂きたい。
Aerofly Ⅱのインプレとは全く関係ないので、インプレを読みたい方は飛ばして下さい(インプレはこちら)。
というのも、今回、本当は丸ハンドルが欲しかったが、エアロ化の波に逆らえず、そしてローラー台が多いのでカーボンハンドルが良い(=汗で腐食しない)というなかで、そもそもレース用として使える丸ハンドルの選択肢がほとんどないことに気づいた。これまで実際に購入して使ったもの、知人友人のバイクについていて触れたことがあるもの、等を中心に、今、2020年時点で買える(&廃盤になっているがおススメの)、基本的にはレースでの使用を前提とした丸ハンドルの情報をまとめておきたいと思う。これが足りない、等のご指摘があれば、お気軽にコメント頂ければ幸いです。

このハンドルは前作のNewton shallow時代から合計5年以上使い続けたお気に入りの一品。
この、斜め上から見た時のシルエットがとても美しかった。そして、剛性感の高さが溜まらなかった。路面のざらつきまで伝わってくるダイレクト感、スプリントの時いくら強くもがいてもびくともしない安心感。
本当に気に入っていたが、唯一の弱点が耐腐食性であった。素材に使われている7075アルミは素材の特性上、強度という意味ではよいが、例えば6000系アルミなどと比べると耐腐食性に劣る。そんなわけで数年に一本、折っていた。大体、ローラーが増える冬にローラー台の上で折れていたし、バーテープの交換の時にそろそろやばいな、というのは伝わってきたから大ごとになったことはないが、ローラーが多い環境での長期使用は少し厳しいかもしれない(と言いつつも年次改良は続いているようなので最新版ではより良くなっていることに期待!)。
念のために付記するが、表面の耐腐食処理はしっかりされているので、他の7000系アルミハンドルと少なくとも同等以上の耐腐食性はあるはずである。すなわち上記の記載は”Dedaのハンドルの耐腐食性が低い”という主張ではなく”7000系アルミ製のハンドルを使う際には耐腐食性に関して注意が必要”と読んで頂きたい。

ちなみに同シリーズのZero 100 Deepも、知人が使っているのを触ったことがあるが、深曲がりで美しいハンドルであった。

・Deda campione (廃盤)
上記のZero 100 shallowと同じ設計のカーボンハンドル。今やもう手に入らない逸品。僕自身も中古自転車店で見たことがある程度だが、未だに欲しいと思う製品の一つである。

3T AEROTUNDO (廃盤)
これもまた、今は手に入らないシリーズ。カーボン×エアロハンドル×丸ハン、という貴重な逸品。剛性が低いという噂もあるが、親友はこれでクリテリウムを勝っていたし、止まっている状態で触らせてもらったことはあるが、実用上最低限の剛性は確保されているのではないかと感じた。

3T SUPERLEGGERA シリーズ
今手に入るカーボン×丸ハンドルの貴重な逸品。これもまた知人の自転車についていて試乗させて頂いたことがあるが、軽さ・剛性ともに全く問題無かった。落車して廃棄予定だったものも見せてもらったことがあるが、(どの程度の規模の落車かは知らないが)少なくとも削れてはいたが折れてはおらず、品質が良さそうという印象を受けた。

実はこんなの使ったことあります的なハンドル。一時期ハンドルバーの幅に悩んでいて、安価でサイズ設定が多い丸ハンドルを探していて出会った一品。バークランプ径が26.0mmであることに注意。
ショートリーチで、まじめにしっかり作った丸ハンドルといった感じ。重い代わりに剛性は十分。もちろんZero 100 shallowのようなパリッとした乾いた感じはないが、少なくともレースも問題なく走っていた。実は初めてGran Fondo 世界選手権を完走したときもこのハンドルだった。要するに意外に実用に耐えます、といった感じ。
同じような6000系アルミ26.0㎜シャロ―ハンドルとしてはCinelli GIRO D'ITALIA BARDeda Speciale 26などの選択肢があるが、恐らく同等の性能ではないだろうか。もちろんレースでの使用にも耐えるだろうが、どちらかというともう少し穏やかな使い方を想定しているのではないだろうか。レース用として今敢えて買う理由があるかというと難しい。

・Control tech fuego cs (廃盤)
どうも廃盤になってしまったようだが、ハンドルに限らず多様な商品を生み出しているマニアックなメーカー、Control techにも以前は丸ハンが存在した。よく通っている自転車店で見かけたことがあるのでなぜか知っているマニアックなハンドル。そういえば、最近日本でもControl techが手に入りやすくなったようなので、このマニアックなメーカーの知名度が上がるとちょっと嬉しい。

こちらはアルミの丸ハン。そして、数少ない380㎜の選択肢があるハンドルバー。下の写真は380㎜。実は400㎜以上とリーチ・ドロップが違い、とてもコンパクト。コンパクトなマルハンを探している人にはお勧めの一品。耐腐食性を語れるほど長く使っていないが、1年程度の使用で若干腐食が始まったかなといった程度で極端に耐腐食性が低い印象はない(恐らく7000系アルミ製品として一般的なものだろう)。また、少なくとも必要充分な剛性があり、重量面もそこまで気にならなかった。

これもまた、上で述べたZero 100 shallowと同じくらい特別に気に入っていた逸品。カーボン×丸ハンドルの決定版である。軽さ・剛性感・耐久性共に非の打ち所がない。3年間使い続け、もう買い替える理由もなく、そのまま使い続けようと思っていたが、唯一の欠点である”非エアロ”という部分が気になってしまい、今回買い替えに至った。逆にフレームがエアロフレームでハンドルのエアロをそこまで気にしなくても良いなら、もう一度このハンドルを使いたいレベルである。ドロップが深く、独特の形状をしている。
また、使ったことが無いのでコメントできないが、R500という選択肢もあり、選択肢豊富なのは素晴らしい。あとはエアロ化を何卒。。。

・Shimano PRO VIBE 7S ラウンド (廃盤)
そういえばCyrano R1 Snakeに似た形状のハンドルバーでこんなのあったよな、と思い出したのでコメント。残念ながら身近に使っている人がいなかったので全然情報がないが、深めの丸ハンを探している人には恐らく良い選択肢ではないだろうか。

実は今回Aerofly Ⅱ購入の際に最も迷ったハンドル。少なくとも現状、カーボン×エアロハンドル×丸ハンドルの唯一の選択肢ではないだろうか。ちなみに、ステム一体型のsolostreemというバリエーションもある。こんなマニアックな製品が作れるなんてクレイジーである(誉め言葉)。
更に、エアロではないが、定番のNeoClassicシリーズもまだまだ複数の選択肢があるのが嬉しい。先ほどリンクを張った軽量カーボンに加えて、通常のカーボンモデルアルミモデルも健在である。アルミモデルを使っていた知人がいるが、とても美しいシェープで、剛性も高く、とても使いやすそうであった。

貴重な現役軽量アルミ丸ハン。これのエアロバージョンがあれば。。。

どのメーカーもアナトミックシャロ―タイプの開発が中心になってしまい、だいぶ選択肢が減ってきているとはいえ、アルミ・カーボン共にまだまだ複数の選択肢があるのはうれしい。性能・バリエーションの面からはFizikとRitchey、3Tが最後の砦といったところか。頑張って下さい!!!笑
需要の問題で難しいことはよく分かるが、エアロ化・ワイヤー内装化などに対応した、各メーカーの最新フラッグシップハンドルと渡り合える選択肢が増えるとさらに嬉しい。
そして、この記事がレース用丸ハン難民の方に多少なりとも役に立てば幸いである。

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