よく進むロードバイクにするには―パーツ考 3.フュージョン3のメリットは?②

(前の記事から続いています)

[直前に使っていたタイヤ]
これまでも、タイヤとインナーチューブにはこだわってきた。タイヤはできるだけ高性能のもの、インナーチューブはR’airのような軽いものを選択してきた。フュージョン3にする直前は、

F:コンチネンタル アタック+エクステンザの軽量チューブ
R:コンチネンタル フォース+ミシュランのラテックスチューブ

という構成で、 クリンチャーの中では、それなりに高性能な部類に入ると思われるチョイスだった。

[簡単な結論]
前の記事でも、おすすめ、と述べたが、もう少し詳しく言うと、短時間なら、チューブレスのメリットはわずかだが、長距離乗ったり、アルミフレームのような振動対策が必要なフレームの場合、大きく違う感触が得られる、といえる。もしかしたら、カーボンフレームで、元から振動減衰性が高い場合、チューブレスに変えても、あまり変わった感じはしないかも知れない。

それでは、いくつかの観点からの、詳細なインプレに移ろう。
 ②では[乗り心地、振動吸収、振動減衰]を、で[トラクションのかかり、ロードインフォメーション、グリップ]、で[転がり抵抗][重さ]について、インプレする。

雪の中のフュージョン3 甲武トンネル付近にて。さすがに、雪上では滑るので注意(笑)


[乗り心地、振動吸収、振動減衰]
走り始めてすぐ、
・路面への当たりが柔らかい
・微振動が明らかに減っている(本当に、まろやかになりました)
と感じた。これは6barの印象だが、確かに乗り心地は良いし、振動も少ないし、また、スピードが速くなればなるほど、加えられる衝撃が大きくなればなるほど、振動の減衰性が高まるようで、ボコッボコッ、と気持ちよく減衰してくれる。路面が荒れていても、身構える必要がなくなった(カーボンフレームなら、もともと身構えないか(笑))。

しかし、この空気圧では少しふわふわし、ロードインフォメーションも少し減ったように感じた(前書いたことと関連するが、しなやか過ぎると、若干インフォメーションが減るように思う。要するにラテックス<軽量ブチルという気がした)。その後、6.4barで試してみた。タイヤをはめるとき、コンチネンタルのタイヤに通ずる、タイヤ自体の硬さを感じたが(詳しく書くと、フュージョン3の場合、ゴムが厚い。コンチネンタルは、薄いけどケージングがしっかりしていて硬い)、確かに空気圧を上げると、衝撃は強く伝わってくる。しかし、角は丸まっているし、以前より不快ではない。ふわふわ感はなくなり、ロードインフォメーションも向上した。
アタック&フォースの場合、タイヤの硬さのためか、少し空気圧を上げただけで進まなくなったが、フュージョン3の場合、さらに上げても、振動減衰性の高さは相変わらずで、進まなくなるようなことはなかった。7barでも(少し衝撃は強くなるが)快適かつ、速く走れた。

どちらにせよ、走り終わった後の筋肉の痺れは、明らかに少なくなった。次の日の筋肉の疲れやしびれも以前より少なく、150㎞とか200㎞とか長距離を走っても、次の日に筋肉の痺れがないのは、クロモリフレームに乗っていた時以来だ。これは大きなメリットだろう。一応、今のところ200㎞までは試したが、それでも、翌日、筋肉痛はあったものの、衝撃由来と思われる、筋肉の痺れは、ほぼ無かった。

振動吸収性・減衰性自体は、最高級のクリンチャーと比べるとわずかな差ではあるものの、長距離を走ると、大きな違いとなる。正直、走り始めは、アルミフレームですら、差はわずかだと感じたので、カーボンやクロモリフレームなら、なおさら、差が少ないと感じるだろう。 しかし、確実に差があると思う。たとえるならば、アルミなのに、クロモリフレーム+クロモリフォークとか、硬めのカーボンフレームのようなフィーリングになったともいえる。

実際、知り合いのウィリエール チェントウノ+レーシング3+コンチネンタルGP4000Sという組み合わせのバイクと乗り比べる機会があったのだが、微振動に関しては、ほぼ差がないうえに、むしろ空気圧が若干低かった分、僕のアルミフレームの方が、快適だった位だ。
少しインプレを追加すると、やはり、チェントウノは少し前の最高級モデルだっただけあり、良く進む。ダイレクト感は、アルミに負けるが、それはホイールを変えることでどうにかなる範囲だろう。というより、レーシング3では性能を引き出せていない感じすらあった(ちなみに、僕のバイクに乗った知り合いは、ぐいぐい進む、と評していたが、確かに、ダイレクト感は僕のCASTIの方が上だった)。ガチガチな感じはしないが、踏みごたえはあったので、剛性はかなり高いのだろう。でも、軽量バイクの危うさはなく、耐久性もそこそこありそうだ。フロントフォークもよく、ブレーキもしっかり効く。良いパーツで組めば、良く進む、最高のレースバイクになるだろう。まあ、今は新型も気になるところだが。

(次の記事に続いています)

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