〈前の記事と続いています〉
〈補助的製品〉
今回は、膝痛を抑えるのに役に立ちそうな、補助的な製品たちについて、インプレッションをお届けする。
a. NAQI Inflam GEL
最初に登場するのは、NAQIのアロマジェル。この系統の製品といえば、自転車競技においては、アップオイルやマッサージオイルなどでおなじみだが、膝痛にも聞く、と言われる、このアロマジェルはどうか―。
買うときは、50mLなのに、なんでこんなに高いんだ、と思っていた。しかし、チューブから出してみると、やや粘度が高く、日焼け止めとかグリス―同列に扱うのはどうかと思うが―を少しサラサラにした感じで、良く伸びる液体だった。つまり、丁寧に使えば以外にも長持ちしそうな製品だ。
つけると、アルコールを触った時のような、スッー、とした感じがあり、膝の動きが改善されたように感じた。腸脛靭帯炎に伴う、慢性的な、膝の動かしづらさという違和感が消えた。
次の日、もう一度使う。初回のような驚きはないが、やはり、じわじわと効く感じはあった。ある意味、痛みが引くという意味では湿布とかの作用に近い気もするが、 しかし、膝の動きの改善という点では、それ以上である。
それ以降、膝の痛みが再発した際には、頻回に使用している。とはいえ、注意しなければならないことは、このジェルを使っても根治はしない事。やはり、マッサージ等で、痛みをとる必要があるし、いくらこれをつけていても、ポジションが正しくないとき、特に自転車においてはクリート角度がずれてしまっているときは、乗った瞬間に痛みが再発する―要するに、このジェルの効果が0になる。
また、出来るだけ丁寧に使っているので、毎回のように使ったら効果がどのようになるかは知らないし、この効果には個人差も十分に考えられる。
ほかのすべての手段を試し、その上で+αとして、補助的に使用するのには適した製品だと思う。
b. Shock Doctor SP0972
スキー、ランニング等々、インソールを重要視するスポーツに対し、自転車競技ではあまりインソールが注目されてこなかった。実際、最初からこだわったインソールが入っているシューズメーカーはスペシャライズドやMAVICなど、一部だけである。しかし最近は雑誌等でインソールの重要性が声高に叫ばれるようになってきて、タイムリーな話題といえるだろう。
―まずは、Shock Doctorについて。購入動機は単純。よくパーツを買っているショップで取り扱っていたからだ。
このインソールは、土踏まずあたりのサポートがかなり強い。この指摘はネット上でも散見されるので、やはりサポートが強いほうなのだろう。ただ、僕自身はアーチが高めの足なので、我慢できる範囲ではあった。とはいえ、全体的に隆起している場所が何か所かある、独特の形状のため、最初はやや違和感があった。人によっては、その刺激で筋肉が緊張してしまうかもしれない(もちろん根拠はないが、自分が感じた違和感から、そのようなことが想像された)。
とはいえ、ペダリングが安定したのは事実。膝の軌道が、特に高トルクをかけた時、以前よりきれいになったように感じた。具体的には、膝が内側や外側に入りづらくなった。
また、クッション性が高いため、特に高剛性のカーボンソールによる、足裏のしびれるような痛みが軽減された。 ただし、多くのシューズメーカーの標準のインソールよりは厚いため、シューズのサイズ選びにも影響するだろう。また、もとから甲の高さが低いシューズなど、場合によっては、使用する靴下の銘柄を変え、即ち厚さを変えて、フィットさせる必要が出てくるかもしれない。
ただ、インソールも根治方ではないことに注意されたい。確かに、例えばポジションをいじった時、膝痛が出るまでの時間は、インソールがあったほうが遅くはなった。つまり、効果はあるのだろう。でも、根本原因が取り除かれていなければ、たとえインソールを使っても、膝痛は再発する。
一言でまとめれば、
・今後のけが防止
・故障した際の早期復帰サポート
・筋疲労軽減
という意味では効果が見込まれるといえる。
c. Currex Sole BikePro (High)
さて、足裏をサポートしてくれるインソールの中でも、薄くて軽いものを探した結果、最終的にはCurrex Soleに落ち着いた。
日本ではまだあまりメジャーではないように感じるが、実は様々なモデルがあり、多くのスポーツに対応している。また作業靴用など、ユニークなモデルもあり、脚の負担軽減に対する本気度がうかがえる。
このインソール、まずは販売店にて、アーチの高さ等を測った上で3種類のアーチサポートの中から選ぶ。僕はHighアーチが最適と出たが、実際は、そこまでサポートは強くなく、ナチュラルな感触だ。
Shock Doctorと違い、見た目も普通、感触も普通でインソールの存在を意識させない。しかし、踏み込んだ時の安定感は確かに感じられる。力がいれやすいのだ。セールスポイントの筋疲労の軽減に関しては、実感できるほどではないが、データとしてメリットが出ているというのは頼もしい。
使った瞬間に違いが分かる、という胡散臭い言葉が出るような製品ではないが、縁の下の力持ちとでも表現できる真面目な製品で、少なくとも僕にとっては、もはやこれなしで走ることは考えられない存在となっている。
〈次の記事に続きます〉
〈関連記事;SoleStarのインプレを書きました〉
(目次)
①〈はじめに〉〈根治方〉
② ―アロマジェル、インソール等インプレ
〈補助的製品〉
a. NAQI Infram GEL
b. Shock Doctor SP0972
c. Currex Sole BikePro (High)
③-シューズに関する考察、ペダル考①
〈ソール形状に関する考察〉〈ペダルに関する考察〉
④-ペダル考②;スピードプレイ インプレ
<スピードプレイ インプレ><スピードプレイに対する辛口評論>
⑤-ペダル考③;タイムペダル インプレ①
<タイムペダルとの出会い>< Xpresso4 インプレッション ><耐久性の問題①-割れたペダル>
⑥-ペダル考④;タイムペダル インプレ②
< iClick2プチインプレ >< Xpresso8 & Xpresso10 ><耐久性の問題②-割れた板バネ>
〈補助的製品〉
今回は、膝痛を抑えるのに役に立ちそうな、補助的な製品たちについて、インプレッションをお届けする。
a. NAQI Inflam GEL
最初に登場するのは、NAQIのアロマジェル。この系統の製品といえば、自転車競技においては、アップオイルやマッサージオイルなどでおなじみだが、膝痛にも聞く、と言われる、このアロマジェルはどうか―。
買うときは、50mLなのに、なんでこんなに高いんだ、と思っていた。しかし、チューブから出してみると、やや粘度が高く、日焼け止めとかグリス―同列に扱うのはどうかと思うが―を少しサラサラにした感じで、良く伸びる液体だった。つまり、丁寧に使えば以外にも長持ちしそうな製品だ。
つけると、アルコールを触った時のような、スッー、とした感じがあり、膝の動きが改善されたように感じた。腸脛靭帯炎に伴う、慢性的な、膝の動かしづらさという違和感が消えた。
次の日、もう一度使う。初回のような驚きはないが、やはり、じわじわと効く感じはあった。ある意味、痛みが引くという意味では湿布とかの作用に近い気もするが、 しかし、膝の動きの改善という点では、それ以上である。
それ以降、膝の痛みが再発した際には、頻回に使用している。とはいえ、注意しなければならないことは、このジェルを使っても根治はしない事。やはり、マッサージ等で、痛みをとる必要があるし、いくらこれをつけていても、ポジションが正しくないとき、特に自転車においてはクリート角度がずれてしまっているときは、乗った瞬間に痛みが再発する―要するに、このジェルの効果が0になる。
また、出来るだけ丁寧に使っているので、毎回のように使ったら効果がどのようになるかは知らないし、この効果には個人差も十分に考えられる。
ほかのすべての手段を試し、その上で+αとして、補助的に使用するのには適した製品だと思う。
b. Shock Doctor SP0972
スキー、ランニング等々、インソールを重要視するスポーツに対し、自転車競技ではあまりインソールが注目されてこなかった。実際、最初からこだわったインソールが入っているシューズメーカーはスペシャライズドやMAVICなど、一部だけである。しかし最近は雑誌等でインソールの重要性が声高に叫ばれるようになってきて、タイムリーな話題といえるだろう。
―まずは、Shock Doctorについて。購入動機は単純。よくパーツを買っているショップで取り扱っていたからだ。
このインソールは、土踏まずあたりのサポートがかなり強い。この指摘はネット上でも散見されるので、やはりサポートが強いほうなのだろう。ただ、僕自身はアーチが高めの足なので、我慢できる範囲ではあった。とはいえ、全体的に隆起している場所が何か所かある、独特の形状のため、最初はやや違和感があった。人によっては、その刺激で筋肉が緊張してしまうかもしれない(もちろん根拠はないが、自分が感じた違和感から、そのようなことが想像された)。
とはいえ、ペダリングが安定したのは事実。膝の軌道が、特に高トルクをかけた時、以前よりきれいになったように感じた。具体的には、膝が内側や外側に入りづらくなった。
また、クッション性が高いため、特に高剛性のカーボンソールによる、足裏のしびれるような痛みが軽減された。 ただし、多くのシューズメーカーの標準のインソールよりは厚いため、シューズのサイズ選びにも影響するだろう。また、もとから甲の高さが低いシューズなど、場合によっては、使用する靴下の銘柄を変え、即ち厚さを変えて、フィットさせる必要が出てくるかもしれない。
ただ、インソールも根治方ではないことに注意されたい。確かに、例えばポジションをいじった時、膝痛が出るまでの時間は、インソールがあったほうが遅くはなった。つまり、効果はあるのだろう。でも、根本原因が取り除かれていなければ、たとえインソールを使っても、膝痛は再発する。
一言でまとめれば、
・今後のけが防止
・故障した際の早期復帰サポート
・筋疲労軽減
という意味では効果が見込まれるといえる。
c. Currex Sole BikePro (High)
さて、足裏をサポートしてくれるインソールの中でも、薄くて軽いものを探した結果、最終的にはCurrex Soleに落ち着いた。
日本ではまだあまりメジャーではないように感じるが、実は様々なモデルがあり、多くのスポーツに対応している。また作業靴用など、ユニークなモデルもあり、脚の負担軽減に対する本気度がうかがえる。
このインソール、まずは販売店にて、アーチの高さ等を測った上で3種類のアーチサポートの中から選ぶ。僕はHighアーチが最適と出たが、実際は、そこまでサポートは強くなく、ナチュラルな感触だ。
Shock Doctorと違い、見た目も普通、感触も普通でインソールの存在を意識させない。しかし、踏み込んだ時の安定感は確かに感じられる。力がいれやすいのだ。セールスポイントの筋疲労の軽減に関しては、実感できるほどではないが、データとしてメリットが出ているというのは頼もしい。
使った瞬間に違いが分かる、という胡散臭い言葉が出るような製品ではないが、縁の下の力持ちとでも表現できる真面目な製品で、少なくとも僕にとっては、もはやこれなしで走ることは考えられない存在となっている。
〈次の記事に続きます〉
〈関連記事;SoleStarのインプレを書きました〉
(目次)
①〈はじめに〉〈根治方〉
② ―アロマジェル、インソール等インプレ
〈補助的製品〉
a. NAQI Infram GEL
b. Shock Doctor SP0972
c. Currex Sole BikePro (High)
③-シューズに関する考察、ペダル考①
〈ソール形状に関する考察〉〈ペダルに関する考察〉
④-ペダル考②;スピードプレイ インプレ
<スピードプレイ インプレ><スピードプレイに対する辛口評論>
⑤-ペダル考③;タイムペダル インプレ①
<タイムペダルとの出会い>< Xpresso4 インプレッション ><耐久性の問題①-割れたペダル>
⑥-ペダル考④;タイムペダル インプレ②
< iClick2プチインプレ >< Xpresso8 & Xpresso10 ><耐久性の問題②-割れた板バネ>
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