Growtac GT-ePower-M インプレ(5/17追記)

最近サイクリストの間で広がりを見せているZWIFT。ZWIFTをやるためにスマートローラーが一つのトレンドになっているといっても過言ではないだろう。そして各所で様々なスマートローラーが比較されている。
そんな中で、僕自身は、とにかく実走に近い感触のローラーが一番、と考えGrowtacを長年愛用してきて、その流れでこの度スマートローラー化したのでインプレしたい。
なお、これまでのGrowtac歴はFlex→M1.1で、今回M1.1購入に伴ってスマートローラー化が実現した(Flex、Flex2はスマートローラー化できない。。。)。

【用意するもの】
まずはGrowtacのスマートローラー化にあたって用意が必要なもの
GT-ePower-M ; これは所有しているGrowtacに合わせて選択
GT-eBox
・スマホアプリ(GT-eRemote) →参考までに代替手段
・プラスドライバー ;ねじが小さいため先端が小型なものを推奨。精密ドライバーでもよいかもしれない。
・USB給電 5V/AC-DCアダプター(2A以上); これ、HPをよく見ると書いてある。なお、僕は購入時に知らなかった。
AC-DCアタプターだが、iPad2のものを流用した(5.2V-2.4A)。最近のiPhoneのもの(写真はiPhoneX用)は、よく見ると5V-1Aである。さらに言えばiPhone11だとUSBがtypeCになるため使えない。地味に注意が必要である。なお、純正品は存在せず、いずれにせよ自己責任になることにご注意されたい。
なお、USBケーブルは付属してくる。

【セッティング】
手を抜くわけではないが、付属してくる説明書がとても分かりやすいので参照されたい。
なお、僕はフルメタルリモートレバーも装着しているが、問題なく取り付けできる。

ねじが小さいので小型のプラスドライバー、もしくは精密ドライバーの方が作業が容易だと思われる

もともと底面に用意された穴からねじで固定する
また作業の時、説明書に記載されているものとは違うアングルの完成図があった方が作業しやすいと感じたので下記写真を供覧する。多少なりとも参考になれば幸いである。
完成図。なお、この段階ではリモートレバーを最大負荷にしている。
【接続とキャリブレーション】
説明書に従って接続し、パワー校正を行う。なお、僕が購入した個体は接続用のUSBが一つ壊れていたのか、当初、GT-ePower-M側の電源が入らず困ったが、USB端子が3つあることもあり、他の端子を使ったら解決した。手作り感がある製品なので多少の初期不良はしょうがないと考えそのまま使っている。もし同じ症状に見舞われた方がいたら、まずは別の端子を試してみるのが良いのではないだろうか。

パワー校正の際は手動レバー側の負荷を最小にすることに注意。キャリブレーションのやりかたはこちらの動画が分かりやすい。パワーメーターを持っている場合はまずはスマホ側から負荷を25%にし、時速40㎞/hまで速度を上げ、維持、その後足を止め、40㎞/hの時のパワーを入力する(画面に指示が出る)。ただ推定パワーの精度はそこまで高くなく場合によっては20~30wくらいずれることもあったので、パワーメーターがある場合はそちらのパワーを使用した方が良いだろう(なお、その場合も校正はした方が良いとのこと)。

【ZWIFTに接続】
ZWIFTに接続する場合、GT-eRemoteとの接続は解除する(少なくとも僕の場合はそうしないと接続できなかった。なおGT-eRemoteもZWIFTもiPhoneである;これはもしかしたら使用機材によっては異なるかもしれない)。また念のためであるが手動レバー側は負荷最小にしておく。
僕の場合はPioneer SGX-CA600から直接パワーを転送しているので乗るたびにローラー側のキャリブレーションをしたりはしていないが、少なくともケイデンスと時速は精度よく測れている。なお、Pioneerの場合Cyclo Sphere Controlと接続しないといけないので注意。またPM930の場合、ZWIFTをやりながらもベクトル表示がみられるらしい。なお、僕自身はPM910Hを未だ使い続けているのが、接続すること自体は全く問題ない。

【インプレ(5/17追記)】
他のスマートローラーを使ったことがない(しそもそもこの7年はGrowtacしか使っておらず、その他はミノウラの固定ローラー、三本ローラーしか所有していない=ダイレクトドライブ未所有(試乗経験がある程度))のでその辺を差し引いてインプレを読んでいただきたい。
HPには”GT-Roller M1.1の負荷特性上、Zwift等の勾配再現を必要とするバーチャルライドには不向きです”とあるが、少なくとも負荷変化自体はリアルタイムに起こるので上り坂になった、というのは分かる。もちろん、初めて使った時は(物理的な勾配が変化しないのに)急に負荷が変わって違和感があったが2~3回使ううちに慣れた(し、画面をよく見ていれば上り坂になったことは分かるわけだから問題ない)。最大負荷制限を解除しているからかもしれないが、割と実走に近い負荷の再現だと感じる。(※下記5/17追記も参照)M1.1はひたすらメニューを実施する、という時はFlexシリーズに比べると負荷が低いと思うこともあったが(ただ、足りないと思ったことはない)、ZWIFTの場合、実走の時の同じスピードで走るわけだからそこまで不満は感じない。もちろん、負荷がかかった時勾配も再現出来れば実走とほぼ変わらなくなると思うが、それならQ1.1を購入するしかないだろう。もし他のスマートローラーを持っていて乗り換えを検討しているという場合、満足できるかは保証できないが、初めてのスマートローラーがGrowtac M1.1+GT ePower-Mであれば割と満足できるのではないだろうか。
少なくとも身体の使い方の観点からはGrowtacは最も自然なローラーの一つであるから、個人的には人に勧めたくなる逸品である。
なお、(かなり汗がかかる環境にもかかわらず)今のところ問題になっていないが、全体的に手作り感がある製品であるし、HPにも耐水性に関しての記述がないので、その点は注意が必要かもしれない。不用意に水を掛けたり汗をたらしたりして、回路をショートさせたりUSB端子を錆びさせたりしないように定期的に確認する必要があるだろう。

(5/17追記)
何度かMeet upやレースに参加している中で気づいたが、他の選手と比べ、ある一定の個所で千切れそうになったり、飛び出しそうになったり、ということが多々あった。その多くは登りに入る場面だったり、登りから下りになるタイミングだったりと負荷が急激に変化する場面で、画面から想定される負荷と比べて一瞬軽いと思われる瞬間があったり、ほんのわずかに重いと感じる瞬間があったり、という感触である。また、登りはぐいぐい踏める一方、下りは回し切れない印象がある。恐らくだが、負荷のかかり方が一般的なダイレクトドライブタイプのスマートローラーと若干ずれているのではないかと感じる。
なお、どうしてもレースで優勝を狙いたい、という時は少しもどかしいかもしれないが、トレーニングと割り切ってしまえばそこまで問題にはならないという程度である。
購入を検討される際の一つの参考になれば幸いである。

【耐久性に関する追記(5/17)】
1か月500㎞ほど使い続けたが、防水性能には今のところ問題なさそうである。
下記写真のように浸水か、というレベルのことも何度もあったにもかかわらずだ。
もちろん、ローラーが終わった後、水をかけて汗を流した後、しっかり拭き取るという作業はしている。
少なくとも丁寧に扱っている限り、そう簡単には壊れなさそうで安心している。

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