よく進むロードバイクにするには―パーツ考 3.フュージョン3のメリットは?①

(機材をいじることで速くなれるかを考える記事です)
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[概論]
前にも書いたように、自転車に乗っている時の、疲労の大きな原因の一つは振動だろう。その振動を減らす、良い方法として、振動が体に伝わってこないようにすること、つまり、タイヤで吸収してしまうことは、真っ先に挙げられるだろう。

今、乗り心地が良いタイヤとして”チューブレスタイヤ”が注目を浴びているが、実際に意義があるのか、考察する。

簡単に結論を言うと、個人的に、チューブレスタイヤはおすすめ。練習からレースまでマルチに使える。また、マキシス ラディエール・チューブレスのような、新しい技術を使った新作も続々登場しているから、今後も期待できる。
一方で、フュージョン3について言うと、確かに乗り心地は良いが、レース用タイヤとしては、もっと上がある(後述するように、ハッチンソン アトムは最強だった。ハッチンソン アトムギャラクティックという新作も出たようだから期待)。

ただ、チューブラーにもまだまだメリットがあると思うので、最後に、いくつか比較インプレを書こうと思う。チューブラーとチューブレス、どっちが好き?と聞かれたら、かなり微妙なところだ。

[はめるまで]
これこそチューブレスの最大の弱点だろう。なぜこんなに大変なのか。石鹸水を大量に投入し、ビートの入れ替えをしっかりやったにもかかわらず、最後の20㎝が全然入らない。個体差が悪い方向に出たのかもしれない。

結局、2人がかりで、一人が、一方の端を抑え、もう一人が、もう片方の端から、IRCのレバーで入れていく、という方法で無理やり入れた。出先でパンクしたら、致命的だ(後で、一度外したタイヤを入れ直した場合は、レバーがあれば、大変だったが一人でできた)。しかも、重さは、クリンチャーで、高級なモデルを使った場合に比べ、明らかに重いので、練習ならともかく、レース、特にヒルクライムレースでは、シーラント剤を入れる気にはなれない。タイヤ自体がしっかり作ってあることや、構造上、パンクしづらいことが、せめてもの救いだ。

[ローラーでの実験]
フロントを7850系のデュラエース(カーボンアルミコンポジットリム)に、ミシュランプロ3、リアをユーラス+フュージョン3にしたところ、明らかに、リヤの方が、微振動が少ない。フロントも、デュラエースのカーボンアルミコンポジットリムのおかげで、ユーラスよりは、振動が少ないのだが、それを超えるレベルだ(ユーラスもデュラエースも、スポークテンションはそれなりに上げてある)。やはり、チューブレスの振動吸収、減衰性能はすごいと実感させられた。

(次の記事に続いています)

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