よく進むロードバイクにするには―パーツ考 番外編② TREK MADONE 6 2013年モデル インプレ②

(機材をいじることで速くなれるかを考える記事です)
リンク:〈0.はじめに〉

(前の記事とつながっています)

さて、前回は、パーツについてあれこれと語ってしまったが、今度こそ正真正銘のインプレ。

やはり、カーボンフレームらしく、ダンシングの振りの軽さと、悪路対応能力はずば抜けていた。軽いといっても、スーパーシックスほどではないので、安定感も十分だ。わざと荒れた路面に突っ込んでスプリントしても、トルクがかかるのは、カーボンならではだ。何度もスプリントをしたが(とはいえ、スプリントが連続すると900wを若干超える程度しか出せないのだが…)かなり進む。そして、カーボンらしく、中速からの伸びでは、アルミでは太刀打ちできない。もちろん、ダンシングでパワーをかけて踏み込む、というシチュエーションを指している。このとき、アルミだと、かなり脚に来てしまう。

つまり、アタックの繰り返しでは、カーボンフレームの優秀性は明らかだ。しかし、巡航については、いつも思うが、アルミとカーボンの差は、振動対策で、かなり近づけられるだろう。
今回のマドンについては、踏み込んだ感触は柔らかく感じたし、じわじわと加速して、もう無理、というところまで来た時も、柔らかく感じたが(要は、アルミのように、もっと踏め、という板のような感触にはならない)しかし、我慢してさらに踏み込むと、剛性感が高くなり、更に踏み抜くことができた。要は、剛性自体はかなり高く、しなりのコントロールにより、脚力がある人もない人も対応できるようになっているのではないか(踏まなくてもそれなりに進むし、かなり踏むと、かなり進む)。

試乗車のハンドルがかなり高かったので、シッティングでの印象は、あまり語れないが、一瞬の鋭さよりも、長距離の後半まで足を残せる味付けのように思えた。やはり、レース用の機材として、一級品だと思うし、脚力があるときにこそ、ぜひ乗りたいフレームだ。やっぱり、カーボンフレームは、性能のチューニングが絶妙で、面白い。

個人的好みを言えば、金属をじわじわ踏んでいくときの感触がたまらないが、もしレースをしたら、本当に足の差以上の差がつくかも、と実は内心、ひやひやしている。長距離のレースだと、特にそうだ。しかし、振動対策さえすれば、金属とカーボンの差は、最小限に抑えられるだろうし、逃げる場合は特にそうだろうから、逃げられるバイクにすべく、今後もいじり、その結果を報告したいと思う。

(よく進むロードバイクにするには―パーツ考 完)


コメント