(前の記事から続いています)
[結線]
以前、ホイールを結線したことで走りが変わったという経験があり、ユーラスについてもフリー側をタコ糸で結線してみた。
もちろん、スポーク間に間が空いているから一工夫したわけだが、そもそもストレートスポークは結線することを前提にしていない設計のため、絶対真似しないでください。僕自身、スポークを折ったため、結局やめました。
結線したことによる効果を簡単にまとめてみた。結線は少なくともフィーリングの面では大きな効果が出た。以下で述べるように、低速と高速でメリハリがついたフィーリングだが、これは、テンションを上げても出ないフィーリングだ。
・反応は、低速ではその高い剛性のためか重いが、少し踏むと急激に進む。
・ダンシングで加速すると、少し走り始めた段階で(時速10㎞/h位)急激に伸び始める。そのままギヤチェンジをしなくても30㎞/hを超える(歯数が34×17の場合において)。
・シッティングでは25~30㎞/hになったあたりから、急に軽くなり、異様な伸びを示す。 エンジンの問題はあるが、平地では45㎞/h位までは一直線に、リニアに伸びる。しかも速度維持が楽。それ以上の速度にするにはパワーが必要(スプロケは50×34、12~23を使用しているが、硬くて、50×12や13を踏むのは大変だった)。もしかすると空気抵抗の問題もあるかもしれない。
・上りも踏めるとものすごく進む。
・平均時速は普段より明らかに高くなっていた。
・たった数回のライドでスポークが折れた。ローラー台で10回程度試験走行したにもかかわらず、外を走りに行ったときに折れた。ローラー台でも、インターバルをしていたら折れたかもしれない。折れたのは、ダンシングでの加速の瞬間に枝を踏み、スポークにものすごい力がかかったためと思われる。
しかし、こんなに進み、しかも楽しいホイールはこれまでで初めてである。常用できないのが残念だ。現在は、スポークテンションを上げることで、比較的近いフィーリングを出しているが、ここまでリニアな感じはさすがに出せない。
[よく進むホイールとは]
結局よく進むホイールについては、現時点では、以下のような仮説が立てられた。
・フロントはアルミの場合、完組が良いと考えられる。カーボンの場合は手組でも完組でも(おそらく)変わらない。理由は、スポーク本数が少なくできるため、空気抵抗を削減できると考えられるから。また、アルミリムの場合、チューブレスタイヤに対応できることから、対応しているものに限りグリップ力及び振動吸収性、振動減衰性において、完組の方が有利と考えられる。
・リアはアルミの場合、手組ホイール+結線加工が、耐久性を考えなければ最強だろう。しかし、空気抵抗の問題を考えると(もちろんリアの影響は少ないだろうが)、スポークが多めの完組ホイールが良いかもしれない(スポークが多めの方が良いと思うのは、反応性の点から。それでも32本の手組よりは、若干空気抵抗が少ないのでは)。また、使ったことはないが、カーボンのディープリムのうち、リムが軽いものは、おそらく反応性や速度維持性能を考えると最強のような気がしてならない。個人的にはボーラかZIPP404のリアがほしくてたまらない。
[なぜテンションを上げたくなるのか]
ユーラスのスポークテンションに不満を持つ声を聴いたことは、まったくない。ではなぜ僕は不満を感じてしまったのだろうか。以前述べたように、プロ選手にとって、低速から中速の反応性はあまり関係ないのでは、という僕自身の考えは変わっていないが、もう一つ理由を挙げるとしたら、”ケイデンスが異様に高いこと”があげられるのではないか、と最近考えている。
僕の普段のケイデンスは、巡航時でも100回転以上回している。多くの場合110回転程度である。疲れている時や上り坂でも80回転から90回転くらい回していることが多い(もちろん、ものすごくきつい上りを除く)。よって、巡航時に、ギヤを踏んでいる感触は全くない。よって、おそらくテンションが低いホイールだと、スカスカに感じてしまい、また、力が有効にかからず、進まなく感じてしまうのではないか、ということだ。
そんなわけで、各人にとっての最適なスポークテンションは、体重やパワーのみならず、走り方によっても変わるのではないか、と考えているのだが、いかがだろうか。
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[結線]
以前、ホイールを結線したことで走りが変わったという経験があり、ユーラスについてもフリー側をタコ糸で結線してみた。
もちろん、スポーク間に間が空いているから一工夫したわけだが、そもそもストレートスポークは結線することを前提にしていない設計のため、絶対真似しないでください。僕自身、スポークを折ったため、結局やめました。
津久井湖にて。この後、スポークが折れた。 |
・反応は、低速ではその高い剛性のためか重いが、少し踏むと急激に進む。
・ダンシングで加速すると、少し走り始めた段階で(時速10㎞/h位)急激に伸び始める。そのままギヤチェンジをしなくても30㎞/hを超える(歯数が34×17の場合において)。
・シッティングでは25~30㎞/hになったあたりから、急に軽くなり、異様な伸びを示す。 エンジンの問題はあるが、平地では45㎞/h位までは一直線に、リニアに伸びる。しかも速度維持が楽。それ以上の速度にするにはパワーが必要(スプロケは50×34、12~23を使用しているが、硬くて、50×12や13を踏むのは大変だった)。もしかすると空気抵抗の問題もあるかもしれない。
・上りも踏めるとものすごく進む。
・平均時速は普段より明らかに高くなっていた。
・たった数回のライドでスポークが折れた。ローラー台で10回程度試験走行したにもかかわらず、外を走りに行ったときに折れた。ローラー台でも、インターバルをしていたら折れたかもしれない。折れたのは、ダンシングでの加速の瞬間に枝を踏み、スポークにものすごい力がかかったためと思われる。
しかし、こんなに進み、しかも楽しいホイールはこれまでで初めてである。常用できないのが残念だ。現在は、スポークテンションを上げることで、比較的近いフィーリングを出しているが、ここまでリニアな感じはさすがに出せない。
[よく進むホイールとは]
結局よく進むホイールについては、現時点では、以下のような仮説が立てられた。
・フロントはアルミの場合、完組が良いと考えられる。カーボンの場合は手組でも完組でも(おそらく)変わらない。理由は、スポーク本数が少なくできるため、空気抵抗を削減できると考えられるから。また、アルミリムの場合、チューブレスタイヤに対応できることから、対応しているものに限りグリップ力及び振動吸収性、振動減衰性において、完組の方が有利と考えられる。
・リアはアルミの場合、手組ホイール+結線加工が、耐久性を考えなければ最強だろう。しかし、空気抵抗の問題を考えると(もちろんリアの影響は少ないだろうが)、スポークが多めの完組ホイールが良いかもしれない(スポークが多めの方が良いと思うのは、反応性の点から。それでも32本の手組よりは、若干空気抵抗が少ないのでは)。また、使ったことはないが、カーボンのディープリムのうち、リムが軽いものは、おそらく反応性や速度維持性能を考えると最強のような気がしてならない。個人的にはボーラかZIPP404のリアがほしくてたまらない。
[なぜテンションを上げたくなるのか]
ユーラスのスポークテンションに不満を持つ声を聴いたことは、まったくない。ではなぜ僕は不満を感じてしまったのだろうか。以前述べたように、プロ選手にとって、低速から中速の反応性はあまり関係ないのでは、という僕自身の考えは変わっていないが、もう一つ理由を挙げるとしたら、”ケイデンスが異様に高いこと”があげられるのではないか、と最近考えている。
僕の普段のケイデンスは、巡航時でも100回転以上回している。多くの場合110回転程度である。疲れている時や上り坂でも80回転から90回転くらい回していることが多い(もちろん、ものすごくきつい上りを除く)。よって、巡航時に、ギヤを踏んでいる感触は全くない。よって、おそらくテンションが低いホイールだと、スカスカに感じてしまい、また、力が有効にかからず、進まなく感じてしまうのではないか、ということだ。
そんなわけで、各人にとっての最適なスポークテンションは、体重やパワーのみならず、走り方によっても変わるのではないか、と考えているのだが、いかがだろうか。
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