(前の記事から続いています)
[スポークテンションとG3]
スポークテンションについて、不思議な話を一つ。手組ホイールでテンションを極限まで上げると走りが重くなる。いわゆる足が負けるというやつだ。それは、特に高速域で顕著なように思う。しかし、ユーラスは空気圧を上げたり、もしくは、左右のバランスを崩したり、と変なことをしない限り、それなりに高いテンションにしても、低速は別として、高速では、走りが重くならないのだ。
僕のユーラスは今、パークツールのテンションメーターでリアのフリー側が22~23という値だ(某ショップの店員さんと話したのだが、やはり、エアロスポークの場合、換算表の値がそのまま正しいとは言い切れない、とのことで、ここでは、メーターの値を述べた) 。初期状態は測っていないが、おそらく20程度だったと予想される(振れた状態で測ったものから推測。しかし、実際、某ブログでもシャマルのフリー側は20程度の様だから、ユーラスも大体そんなところだろう)。この状態では、加速時にダンシングすると25㎞/h位まで一瞬で速度が上がり、そこらかしばらくは、ホイールの存在を感じるが(=重いもの(=硬いもの)を回している感がある)、35㎞/h位からフッと軽くなり、ホイールが存在感を消し、50㎞/h位まで速度が直線的に伸びていく。もっと脚力があれば、絶対面白いはずなのだが…
加減速を繰り返す際は、もう少しテンションが低いほうが踏みやすいだろうし、一定速度を保つ場合も、テンションが低い方が疲れないだろう。大体、テンションが高いと、長い上りや急斜面で疲れる。
でも楽しい。また、ある程度速度が出ると、巡航が楽しい。
以上、やはりテンションの調整は面白い、と思った出来事である。
※もちろん、テンションを上げるチューニングはリスクを伴うので、自己責任でお願いします。
そういった意味でも、個人的には、ディープリムの硬いホイールがほしい。おそらくいじらなくても好きなフィーリングが出ているだろう。
[今ユーラスを買う意義とは]
最後に、簡単なまとめを。
最近は、安価なカーボンディープリムホイールが人気だと聞くし、実際よく見かける。僕自身も、買うところで買えばほぼ同じ値段なわけだから、人にはカーボンを勧めるだろう。
おそらく、リム重量が同じくらいかやや軽いわけだから(もちろん、値段やリム高によって変わるが)、空気抵抗が少ないほうが機材としては有利だろう。実際、ユーラスで平地で速度を上げると、空気の壁を感じる(脚力の壁かも知れない。下り坂では、スポークテンションのおかげか、そこまで強くは壁を感じない) 。では、ユーラスを買うメリットは何なのだろうか。
個人的に、1年使って思ったのは、カンパらしい”調整範囲の広さ”である。もともと、ものすごく素直な走りだから、いじると、すべての項目で高得点なうえに、一部の項目で突出して高性能、という面白い特性になるのだ。しかも、変ないじり方をしても意外と壊れない。
長く使うなら、ノーマル状態のままで良いだろうし、機材にこだわりがあるなら、いじればよい。ハブだっていじり甲斐がある。爆音化も簡単だ(スプリングはとるときは少しシビアだから注意が必要だが、外してフリー部をしっかり洗浄すると、やっぱり音が変わった)。
もちろん、ストイックにレースをやるなら、いじる時間はもったいないだろうから、カーボンホイールを頻繁に買い換えたほうが良いだろうが、長く愛着を持って接するなら、いまだ高級アルミホイールは捨てたもんじゃないと思う。下り坂でも安心感があるし、リムが低いからシャープに曲がる。
あとは、キシリウムSLRやR-sysのように、アルミの可能性をさらに極めたホイールが増えてほしいと思う(MAVICはハブがカップ&コーンなら即買うのだが…)。機材として絶対性能を考えたらカーボンに分があるが、フィーリングなどを考えれば、存在意義は十分あるのだ(まさに、金属フレームのように)。
(続・ユーラス考 完)
(2.フルクラムクランクの真実へ続く)
[スポークテンションとG3]
スポークテンションについて、不思議な話を一つ。手組ホイールでテンションを極限まで上げると走りが重くなる。いわゆる足が負けるというやつだ。それは、特に高速域で顕著なように思う。しかし、ユーラスは空気圧を上げたり、もしくは、左右のバランスを崩したり、と変なことをしない限り、それなりに高いテンションにしても、低速は別として、高速では、走りが重くならないのだ。
僕のユーラスは今、パークツールのテンションメーターでリアのフリー側が22~23という値だ(某ショップの店員さんと話したのだが、やはり、エアロスポークの場合、換算表の値がそのまま正しいとは言い切れない、とのことで、ここでは、メーターの値を述べた) 。初期状態は測っていないが、おそらく20程度だったと予想される(振れた状態で測ったものから推測。しかし、実際、某ブログでもシャマルのフリー側は20程度の様だから、ユーラスも大体そんなところだろう)。この状態では、加速時にダンシングすると25㎞/h位まで一瞬で速度が上がり、そこらかしばらくは、ホイールの存在を感じるが(=重いもの(=硬いもの)を回している感がある)、35㎞/h位からフッと軽くなり、ホイールが存在感を消し、50㎞/h位まで速度が直線的に伸びていく。もっと脚力があれば、絶対面白いはずなのだが…
加減速を繰り返す際は、もう少しテンションが低いほうが踏みやすいだろうし、一定速度を保つ場合も、テンションが低い方が疲れないだろう。大体、テンションが高いと、長い上りや急斜面で疲れる。
でも楽しい。また、ある程度速度が出ると、巡航が楽しい。
以上、やはりテンションの調整は面白い、と思った出来事である。
※もちろん、テンションを上げるチューニングはリスクを伴うので、自己責任でお願いします。
そういった意味でも、個人的には、ディープリムの硬いホイールがほしい。おそらくいじらなくても好きなフィーリングが出ているだろう。
牧馬峠にて。下りのヘアピンカーブときつい上り坂は、チューニングしたユーラスにとって、最高に気持ちの良いフィールドだ。この日(2012/2/19)は積雪のため、12%区間は歩く羽目になった。 |
最後に、簡単なまとめを。
最近は、安価なカーボンディープリムホイールが人気だと聞くし、実際よく見かける。僕自身も、買うところで買えばほぼ同じ値段なわけだから、人にはカーボンを勧めるだろう。
おそらく、リム重量が同じくらいかやや軽いわけだから(もちろん、値段やリム高によって変わるが)、空気抵抗が少ないほうが機材としては有利だろう。実際、ユーラスで平地で速度を上げると、空気の壁を感じる(脚力の壁かも知れない。下り坂では、スポークテンションのおかげか、そこまで強くは壁を感じない) 。では、ユーラスを買うメリットは何なのだろうか。
個人的に、1年使って思ったのは、カンパらしい”調整範囲の広さ”である。もともと、ものすごく素直な走りだから、いじると、すべての項目で高得点なうえに、一部の項目で突出して高性能、という面白い特性になるのだ。しかも、変ないじり方をしても意外と壊れない。
長く使うなら、ノーマル状態のままで良いだろうし、機材にこだわりがあるなら、いじればよい。ハブだっていじり甲斐がある。爆音化も簡単だ(スプリングはとるときは少しシビアだから注意が必要だが、外してフリー部をしっかり洗浄すると、やっぱり音が変わった)。
もちろん、ストイックにレースをやるなら、いじる時間はもったいないだろうから、カーボンホイールを頻繁に買い換えたほうが良いだろうが、長く愛着を持って接するなら、いまだ高級アルミホイールは捨てたもんじゃないと思う。下り坂でも安心感があるし、リムが低いからシャープに曲がる。
あとは、キシリウムSLRやR-sysのように、アルミの可能性をさらに極めたホイールが増えてほしいと思う(MAVICはハブがカップ&コーンなら即買うのだが…)。機材として絶対性能を考えたらカーボンに分があるが、フィーリングなどを考えれば、存在意義は十分あるのだ(まさに、金属フレームのように)。
(続・ユーラス考 完)
(2.フルクラムクランクの真実へ続く)
コメント
小径ホイールを手組みしてます。ブログの記事、
大変参考になります。ありがとうございます。
私は、主に長距離を楽に走れるホイールを
求めて日々悩んでいます。一応、300kmくらい
は、楽に走れるホイールを組めたのですが、
欲望は憑きず。さらなる理想のホイールを
求めてパーツを集めて組んだホイールが失敗。
鈍重で反応が鈍いものに。期待を込めて
高いパーツを集めただけにガックシ感は
かなりのレベルでした。
今後も記事を参考にさせていただきます。
今後とも頑張ってください。
コメントをいただくと、本当に励みになります。
私は、今年は、ロードレースにこれまでより積極的に参戦しているため、記事の執筆頻度が落ちておりますが、これまでより速く走れるようになったことで見えてきたことも踏まえて、改めてこの記事の続きを書いていこうと思っております。
おそらく、次の更新は来年くらいになりそうですが、今後ともよろしくお願いします。