よく進むロードバイクにするには―パーツ考 2.フルクラムクランクの真実①

(機材をいじることで速くなれるかを考える記事です)
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[クランク考]
個人的に、クランクは重要だと考えている。
適切なQファクター、剛性、回転性能、軽さ、変速性能などなど、求めたい要素は複数あり、かつ、すべて走りにつながると考えられるからだ。何しろ、直接バイクに動力を伝えるパーツの一つだから、やはりこだわったほうが良いのではないだろうか。

今回は、僕が昨年購入した”フルクラム レーシング トルクR(Racing Torq R)”(なぜtorqなのか!(笑))をもとに、これまで経験してきた5600系105、6600系アルテグラSL、及び、7800系デュラエースBB、何度か試乗した7900系デュラエースなどと比べて考察したい。
鶴見川源流にて。
 [購入理由]
なぜ、カンパの変速機なのにフルクラムのクランクにしたのか。
理由は(値段を除けば)一つ。チェーンリングに表面加工をしていないからだ。コーティングがはがれることによる変速性能の低下を避けたかったからだ(もちろんはがれたという話を聞いたことはないが、念のためこだわった)。
 もう一つ言えば、なぜか重量が重いこと(カンパ同等品と比べて)。
  
Racing Torq R 751g 歯数不明
CENTAUR(2009) 711g  52×39
ATHENA(2010) 705g 53×39

チェーンリングの差かアームの差かはわからないが、どちらにせよ、剛性面に効いてくるのではないだろうか。実測重量の比較や、比較試乗をしたいところだ。

一方で、アテナやケンタウルの新型にしなかった理由は、”ウルトラトルクだから”だ。確かに軽さでは、シマノ方式やパワートルクの方が有利だろう。しかし、カンパの技術者が以前某雑誌のインタビューで”ウルトラトルクはねじれ剛性を重視している”という趣旨のことを言っていた。実際にどうかは分からないが、確かに言われてみれば中央が厚くなる(というより厚くせざるを得ない)構造なので剛性面で有利かもしれない。
さらに言えば、パワートルクは整備が大変だ(引き抜き工具など持っていない)。そんなわけで今、あえてフルクラムのクランクを選んだのだ。

(次の記事に続きます)

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