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徹底比較:LOOK KEO Blade vs Time Xpresso vs Time Xpro (2020/1/12追記)
[前書き]
僕はランニングで腸脛靭帯炎を発症して以来、ペダルにはこだわりを持ってきた。と言いつつも、結局これまでシマノ(金属)を4年、シマノ(カーボン)を1週間、スピードプレイを半年、タイムを5.5年(Xpresso3.5年、Xpro2年)、ルックを1.5年とほぼタイムを使い続けてきた。そして、2年前に書いた記事では、Time Xproを大絶賛し、当然今でもタイムの最高傑作だと考えている。とはいえ、それだけタイムが好きでありながら忘れられないペダルがLookのKEO Bladeであった。この安定感、剛性感は他にはない。Dura-Aceすらこのレベルに達していないと思う。実際、9100系を買ったは良いものの一瞬使って納得できず、すぐ中古で売ってしまった。
しかし、Lookを使う上でどうしても困ったのが耐久性の低さである。残念ながらTimeも1年1万キロでダメになるが、Lookはもっとひどく、半年5000㎞でダメになるイメージであった。ちなみに、念のため書いておくが、半年5000㎞使った場合、クリートは絶対交換で、ペダルのボディ自体は使い続けられるが、摩耗することで生じるわずかなガタと、軸のガタに僕の繊細な膝が耐えられないだけで、実際はもっと長く使うことも可能である。まあ、それはともかくとして、再びTimeに戻ってきたわけだが、気づいたらLookがマイナーチェンジしており、すぐガタが出る=弱点であった軸の構造が変わっており、しかも、ペダル嵌合面の構造が変わっている=恐らくより密着するようになっただけでなく耐摩耗性も上がる?と考えられたため、久々に購入することにした。
[不満点]
最初に不満点を述べさせてもらうと、相変わらず、ゴムなしの歩きにくいクリートが付属すること、クリートのねじが相変わらず3mmの六角アーレンキーのため力をかけにくいこと、の二点は困ってしまう。以前KEO GRIPクリートを使ったこともあるが、ゴムがついていることのデメリットはほとんど感じなかったのでこっちでもよい気がするが、プロの要望とかコストアップとか何か理由があるのだろうか・・・
[インプレ]
直前までXproを使っていたためか、ファーストインプレッションはあまりよくなかった。あれ、こんな感じだったっけ?という感じ。
恐らく以前のKEOより、更にクリートが密着する感じはあるが、Xproと比べてしまうとスカスカ動くし、Xproよりボディが小さいからか、もしくは重量バランスの影響で縦向きになってしまうせいかキャッチしにくいし(ちなみに単純なはめやすさはKEOの方がスムース)、 安定感も意外と変わらないかな、といったところ。以前はXpressoとKEOの比較だったからか、KEOの安定感に感動した覚えがあるが、この部分はXproでかなり進化した部分だからか、意外と差を感じなかったのだろう。
しかし、強く踏み込んでいくと違いを感じる。やはりKEOは力が横に逃げないからよりグイグイ踏めるし、パワーもでる。また強く踏むと確かにKEOの方が若干硬いかもしれない。実際足裏がきついのはKEOの方。軸の剛性向上も効いているのかもしれない。なお、以前のKEO Bladeと比べ、軸は見た目にも太くなったように思える。
更に使い続けるとスカスカ感も気にならなくなってきた。だけど、結局クリートはKEO Gripに変更した。標準のクリートはスカスカ動きすぎるだけでなく、かなり滑るので家を出るのも一苦労だから、さすがに嫌になった(初めてKEOを使った時も同じ理由ですぐKEO Gripに付け替えた)。なお、KEO Gripではスカスカ動く感じは若干弱まる気がする。滑りにくさは圧倒的に差があるので、ぜひKEO Grip導入をお勧めしたい。
[Xproとの簡単な比較]
上でXproを基準としたときのインプレを述べたが、個人的な意見を言わせて頂くと、やはりKEO BladeとXproは安定感や独特のフィーリングという点では突出して特徴的なペダルだと思うし、耐久性を考えなければぜひ体験してほしいペダルだと思う。もちろんシマノにもスピードプレイにも良い点がたくさんあることは理解しているし、僕自身がおすすめのペダルを聞かれた際は、聞いてくれた人のニーズから判断するから、必ずしもLookやTimeを勧めるわけではないということも申し添えておく。
さて、前置きが長くなったが、これらのペダルは、もちろんプロが使っているという点では、どんな場面でも使えるペダルであるが、特にどういう人におすすめか、という視点で比較したい。
まず、LOOKに関しては短距離レース、スプリントで勝負したい場面、平地TTなどで特に勧められるペダルだと思う。この安定感、剛性はとても頼もしい相棒となる。特に、剛性の高さからかしっかり踏むと足首がぶれない感じがして、力がダイレクトに伝わる感じがある。もちろん、だからと言って長距離がきついわけではなく、実際、僕自身グランフォンド世界選手権を完走したときはこのペダルだった。ただ、練習不足で長距離を走った際、レースを走った際は負担が大きいかもしれない。
一方Timeに関しては長距離レース、膝が弱い人、緩やかなアップダウンがあるレースでじんわりとした速度変化がある場面、などに適するように感じる。膝にやさしく、脚が疲れない。もちろん、スプリントの際、少し力が抜けるから足首にやや負担がかかる感じがするし、最大出力もLookと比べると低くなる気がする。しかし、それでもペダルが理由で勝負できなかったということはありえないだろう。特にXpressoと比べてしまえば、全く問題ないし、スプリントで勝負する場面でも引けを取った記憶はない。
どちらのペダルも、特にTimeの方が、不安定さ、という弱点を克服しつつあるためかLookのフィーリングに近づいており、オールラウンドに使えることは間違いない。Timeの方がより優しい感触というか、練習不足の時も助けてくれ、一方Lookの方が、よりレース特化というか、練習不足の時に助けてくれないイメージである。
[耐久性(5/17, 12/28追記)]
この項は後日追記します。
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徹底比較:LOOK KEO Blade vs Time Xpresso vs Time Xpro (2020/1/12追記)
[前書き]
僕はランニングで腸脛靭帯炎を発症して以来、ペダルにはこだわりを持ってきた。と言いつつも、結局これまでシマノ(金属)を4年、シマノ(カーボン)を1週間、スピードプレイを半年、タイムを5.5年(Xpresso3.5年、Xpro2年)、ルックを1.5年とほぼタイムを使い続けてきた。そして、2年前に書いた記事では、Time Xproを大絶賛し、当然今でもタイムの最高傑作だと考えている。とはいえ、それだけタイムが好きでありながら忘れられないペダルがLookのKEO Bladeであった。この安定感、剛性感は他にはない。Dura-Aceすらこのレベルに達していないと思う。実際、9100系を買ったは良いものの一瞬使って納得できず、すぐ中古で売ってしまった。
しかし、Lookを使う上でどうしても困ったのが耐久性の低さである。残念ながらTimeも1年1万キロでダメになるが、Lookはもっとひどく、半年5000㎞でダメになるイメージであった。ちなみに、念のため書いておくが、半年5000㎞使った場合、クリートは絶対交換で、ペダルのボディ自体は使い続けられるが、摩耗することで生じるわずかなガタと、軸のガタに僕の繊細な膝が耐えられないだけで、実際はもっと長く使うことも可能である。まあ、それはともかくとして、再びTimeに戻ってきたわけだが、気づいたらLookがマイナーチェンジしており、すぐガタが出る=弱点であった軸の構造が変わっており、しかも、ペダル嵌合面の構造が変わっている=恐らくより密着するようになっただけでなく耐摩耗性も上がる?と考えられたため、久々に購入することにした。
[不満点]
最初に不満点を述べさせてもらうと、相変わらず、ゴムなしの歩きにくいクリートが付属すること、クリートのねじが相変わらず3mmの六角アーレンキーのため力をかけにくいこと、の二点は困ってしまう。以前KEO GRIPクリートを使ったこともあるが、ゴムがついていることのデメリットはほとんど感じなかったのでこっちでもよい気がするが、プロの要望とかコストアップとか何か理由があるのだろうか・・・
[インプレ]
直前までXproを使っていたためか、ファーストインプレッションはあまりよくなかった。あれ、こんな感じだったっけ?という感じ。
恐らく以前のKEOより、更にクリートが密着する感じはあるが、Xproと比べてしまうとスカスカ動くし、Xproよりボディが小さいからか、もしくは重量バランスの影響で縦向きになってしまうせいかキャッチしにくいし(ちなみに単純なはめやすさはKEOの方がスムース)、 安定感も意外と変わらないかな、といったところ。以前はXpressoとKEOの比較だったからか、KEOの安定感に感動した覚えがあるが、この部分はXproでかなり進化した部分だからか、意外と差を感じなかったのだろう。
しかし、強く踏み込んでいくと違いを感じる。やはりKEOは力が横に逃げないからよりグイグイ踏めるし、パワーもでる。また強く踏むと確かにKEOの方が若干硬いかもしれない。実際足裏がきついのはKEOの方。軸の剛性向上も効いているのかもしれない。なお、以前のKEO Bladeと比べ、軸は見た目にも太くなったように思える。
更に使い続けるとスカスカ感も気にならなくなってきた。だけど、結局クリートはKEO Gripに変更した。標準のクリートはスカスカ動きすぎるだけでなく、かなり滑るので家を出るのも一苦労だから、さすがに嫌になった(初めてKEOを使った時も同じ理由ですぐKEO Gripに付け替えた)。なお、KEO Gripではスカスカ動く感じは若干弱まる気がする。滑りにくさは圧倒的に差があるので、ぜひKEO Grip導入をお勧めしたい。
[Xproとの簡単な比較]
上でXproを基準としたときのインプレを述べたが、個人的な意見を言わせて頂くと、やはりKEO BladeとXproは安定感や独特のフィーリングという点では突出して特徴的なペダルだと思うし、耐久性を考えなければぜひ体験してほしいペダルだと思う。もちろんシマノにもスピードプレイにも良い点がたくさんあることは理解しているし、僕自身がおすすめのペダルを聞かれた際は、聞いてくれた人のニーズから判断するから、必ずしもLookやTimeを勧めるわけではないということも申し添えておく。
さて、前置きが長くなったが、これらのペダルは、もちろんプロが使っているという点では、どんな場面でも使えるペダルであるが、特にどういう人におすすめか、という視点で比較したい。
まず、LOOKに関しては短距離レース、スプリントで勝負したい場面、平地TTなどで特に勧められるペダルだと思う。この安定感、剛性はとても頼もしい相棒となる。特に、剛性の高さからかしっかり踏むと足首がぶれない感じがして、力がダイレクトに伝わる感じがある。もちろん、だからと言って長距離がきついわけではなく、実際、僕自身グランフォンド世界選手権を完走したときはこのペダルだった。ただ、練習不足で長距離を走った際、レースを走った際は負担が大きいかもしれない。
一方Timeに関しては長距離レース、膝が弱い人、緩やかなアップダウンがあるレースでじんわりとした速度変化がある場面、などに適するように感じる。膝にやさしく、脚が疲れない。もちろん、スプリントの際、少し力が抜けるから足首にやや負担がかかる感じがするし、最大出力もLookと比べると低くなる気がする。しかし、それでもペダルが理由で勝負できなかったということはありえないだろう。特にXpressoと比べてしまえば、全く問題ないし、スプリントで勝負する場面でも引けを取った記憶はない。
どちらのペダルも、特にTimeの方が、不安定さ、という弱点を克服しつつあるためかLookのフィーリングに近づいており、オールラウンドに使えることは間違いない。Timeの方がより優しい感触というか、練習不足の時も助けてくれ、一方Lookの方が、よりレース特化というか、練習不足の時に助けてくれないイメージである。
[耐久性(5/17, 12/28追記)]
なお、少なくとも1か月弱使った段階では特に問題は感じていない。まあ、以前のモデルもそんな急にダメになったわけではないので、半年~1年程度経過を見て追記したい。
(5/17追記)
3か月で、室内練が主だが1500㎞程度は走った状態だが、やはり、軸のガタは感じられるようになってきた。でもそれが膝痛の原因になるというほどではない。さらに言えば、この軸のガタというのは経験上、あるところまで進展したらそれ以上悪くならないので、以前のモデルと比べてよい勝負、少なくとも悪くはなっていないと思う。
一方で、プレートは意外ときれいなままである。さらに言えば、嵌合面のふくらみがあるおかげでクリートとの嵌合はかなりしっかりしており、引き続き好感触である。
左は大体5000㎞程走破した旧型、右が今回インプレしている2020年モデル |
全体を通じて、耐久性は、恐らくベアリングの耐久テストだったり、嵌合面の耐摩耗テストだったりといった、日常使用を超えるレベルのテストをすれば向上しているのだろうが、一般的な選手としての使い方の中では大きな違いは感じられなかった。1年程度使って再評価をしていきたい。
ちなみに、手で押さえていることから分かる通り、後ろが重いため、静止時に横から見ると水平面に対し大体70度とか80度になっており、ペダル本体の小ささも相まってキャッチしにくいという印象は相変わらずである。3か月使って、未だ慣れないわけだから、ライバルと比べて(特にTimeと比べて)キャッチしにくいといってよいだろう。
(12/28追記)
今年はローラーメインで計5000㎞程度使ったが、結局軸のガタつきはそれ以上進行せず、一方でクリートがかなり削れてきたことによりガタが出てきた。とはいえ、乗ったらすぐ膝が痛くなるという程度の消耗ではなく、クリートを交換すれば問題ない。以前のモデルと比べ若干耐久性が上がったという印象である。
また、上で述べたクリートキャッチのしにくさであるが、慣れによって多少は改善した。もちろん、他モデルと比較したときにはキャッチしにくいという印象になるだろうが、このモデルだけをずっと使い続ければ慣れると思う。
総合的にはこのペダルの持つ安定感、回しやすさは特筆すべきで、しっかり踏めるペダルを探している人にはとてもお勧めである。耐久性だけを重視するならシマノ、膝へのやさしさだけを重視するならタイムやスピードプレイ、という選択もありうるだろうが、ルックにはルックにしかない良さがある。個人的にはお世辞抜きでTimeのXproとLook Keo Bladeが現時点でのベストペダルだと思う。
5000kmの使用で表面は削れてきているが、嵌合面のふくらみがあるおかげで、クリートとの嵌合はそこまで悪くなっていない印象 |
(2021/11/13追記)
過去のLookペダルであればワンシーズンで、ひどいときはワンシーズンに2つ以上消費していたが、今回は珍しく2シーズン目も続投していたが、さすがに1万キロ弱で、ガタが原因でひざに違和感を感じるようになったので買い替えることに(もともと腸脛靭帯炎や足首の靭帯損傷などの経験があり膝が弱い=人によってはこの状態でも問題なく使える可能性はあります)。以前と比べると若干耐久性が上がったか、という感じではあるが、シマノほどではない。とはいえ、おススメであることは間違いない。
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