よく進むロードバイクにするには―パーツ考 4.総括

(機材をいじることで速くなれるかを考える記事です)
リンク:〈0.はじめに〉
ホイールについての考察→〈1.続・ユーラス考
クランクについての考察→〈2.フルクラムクランクの真実
タイヤについての考察→〈3.フュージョン3のメリットは?

さて、いろいろなパーツについて述べてきたが、最後に、簡単なまとめを述べよう。

確かに、自転車の味付け、特性は、パーツでかなり変えることができた。もちろん、踏んだ時の剛性感や、ヘッドの剛性感は、素材と設計(ジオメトリーという意味ではない。例えば、カーボンの積層など)によって決まるだろうが 、しかし、かなりの部分は、パーツでコントロールできると感じた。

※ジオメトリーについても、個人的には、興味を持っている(下でも軽く触れます)。良いジオメトリーならば、素材が劣化しても、その影響を最小限にできるのではないか、と感じている。いずれ、今のバイクの総括を書きたいと思う(やはり、アルミなので、経年劣化に伴う剛性低下を多少感じている)。

フレームの剛性感を、上げたいなら、ハンドル・ステム・シートポスト・クランク・ホイール、場合によっては、フロントフォークに剛性の高いものをつければよいだろうし、振動を減らしたいなら、タイヤ、場合によってはインナーチューブ、そしてバーテープハンドル・ステム・クランク・フォークなどにこだわればよいだろう。もちろん、カーボンパーツなら、両立も可能だ。

では、パーツでかなり変わってしまうなら、フレームを選ぶ時に、何を見ればよいのだろうか。一つ感じたのが、きれいなフォームだと、パワーが増え、一方、速い人はフォームがきれい、ということである。僕自身、とあるチームの監督にポジションを見て頂いたら、それだけで、同じ道での平均時速、パワーが上がった、という経験をしている。つまり、きれいなフォームを実現できる、自分に合った設計(=ジオメトリー)のバイクを手に入れるというのが一番だろう(もちろん、実力向上や、体形の変化に伴って、実現可能なフォームが変わってくるのが悩ましいところではあるが。僕自身、この数年で、ハンドルを徐々に下げており、今、エルゴステムでも使わない限り、理想のポジションを出せそうもない状況になってしまっており、困っている。
また、パーツでフレームの味付けを変えられることを考えれば、カーボンフレームにこだわる必要もないのではなかろうか。

では、雑誌のインプレや試乗は、意味がないのだろうか。個人的にはそうは思わない。やはり、フィーリングは、素材がかなり影響しているだろうし、それは乗らねばわからない。チョイ乗りでも、個性的なバイクなら伝わってくることがあるし、雑誌のインプレでも、そういう部分を伝えてくれるものがある(例えば、安井さんのインプレは、いつも細かいフィーリングまで伝わってくるので、少なくとも、僕は毎回楽しみにしている) 。まあ、少し前のサイクルスポーツでの、大石さんと菊池さんコンビのインプレなど、じっくり乗っているインプレは、結構このフィーリングの部分が伝わってくる気がする。
また、最近は、ショップに試乗車を置くメーカーも多く、公道で試乗できる機会が多いので、そういった意味では、試乗することで、フレームのフィーリングがよく分かったり、また、自分で組む時のパーツを考える一助になると思う。

ということで、結論を言えば、パーツにこだわると面白い、ということ、そして、ポジションが重要、ということだ。

さて、これまで、カーボンにこだわる必要はない、と何度か書いているが、やはり、最上級のカーボンフレームの性能は、当然、金属を凌駕している。次回は、最近乗った、いくつかのバイクのインプレを、簡単にお届けする。

コメント