よく進むロードバイクにするには―パーツ考 1.続・ユーラス考①

(前の記事から続いています)

[趣旨]
ホイールの重要性を説く記事は、雑誌等でよく見かける。しかし、ユーラス考で述べたように、僕自身は、ホイールをより高価なものにしても(結線したイタリア製の安いホイール→ユーラス)、性能面で、そんな驚きを感じなかったし、確かに、限界領域では以前使っていた”改造した安いホイール”より明らかに良いが、普通に使っている分には、あまり変わらない、という結論に達した。
 (もちろん、知らないうちに、速くなっていた可能性はあるが、フィーリングが好きになれなかった。もちろん、ダメと言っているわけではない。単に、もう少しダイレクト感がほしかっただけで、改造した結果、非常に満足したし、とても気に入っている。ユーラスは、よいホイールだと思うし、フィーリングが合う人は、いじらなくても高性能を享受できると思う。)
 では、一般に高い評価を受けているユーラスを改造したらどうなるのか。以前述べたように、スポークテンションを上げたら、走りが変わり、自分好みのホイールになったが、さらにいじるとどうなったのか、比較対象のない主観的なレポートではあるが、まとめてみた。

[タイヤ、チューブをいじる]
タイヤやチューブの重要性は、よく雑誌などで説かれているし、同様に、空気圧の重要性も良く説かれる。よって、チューブレスタイヤを導入する前に、コンチネンタル アタック&フォースを用いて、実験してみた。やはり、結構違いが出る。

★空気圧による違い
僕自身は、体重が少ないこともあり、ミシュラン リチオン、プロ3、コンチネンタル アタック&フォースともに、6気圧で乗っていた。

○高めの空気圧(7~8気圧)
跳ねる、重い、トラクションがかからない、進まない 等々、よい感触はなし。タイヤのインプレッションで 空気圧を入れすぎると、タイヤの性能が引き出せないという風なコメントを見かけるが、確かにそのようだ。
転がり抵抗が減っているのかもしれないが、路面が荒れていると跳ねて進まないから、 結局そのメリットは感じられなかった。しかし、ローラー台では、空気圧を上げたほうが、転がり抵抗が明らかに少なく感じるから、路面がきれいな道では、空気圧を上げるメリットが生じるかもしれない。
○低めの空気圧(適正空気圧前後)
しっかりトラクションがかかる、乗り心地が良く、疲れない、柔らかい感触。総じて好印象。しかし、下げすぎるとやや重くなる(もちろん、下げても0.5気圧程度だが)。下げすぎも上げすぎと同じく、あまり良くないようだ。

やはり、適正空気圧は、個人の体重によって変わるものだと実感した。また、適正な空気圧の方が、総合的にメリットが大きいと感じた。特に、疲れない、というメリットは、転がり抵抗以上に、長距離を走った時に聞いてくると思う。やはり、バイクをよく進ませるためには、足回りにこだわったほうが良い、と実感した。

★チューブによる違い
比較対象は、ミシュラン及びシュワルベの安いブチルチューブ。

○重さによる違い
ブリジストン エクステンザの軽量チューブを導入
→ものすごくよく進む。乾いた感じでロードインフォメーションの伝わり方も良く、踏んだ分だけ進む。重いチューブで感じたもっさり感が消えた。

また、同クラスともいえるパナレーサーのR-airを以前、別のホイール、タイヤで使用していたが、さすがに、ホイールの違いやタイヤの違いに隠れてしまい、エクステンザとの差はわからなかった。ただし、どちらも高性能であること、及び、エクステンザの方が空気が入れやすいのは確かだと感じた。やはり、軽量ブチルは個人的に好みである。
○しなやかさによる違い
ミシュランのラテックスチューブを導入
→乗り心地が極めてよい。少し重いためか、もしくはやわらかいためか、走行感はエクステンザの方が好みだが、疲れないのはこっち。しなやかなおかげでトラクションがよくかかり、荒れた路面などでもスピードの落ちが少ない気がする。ともかく、速度維持性能は高い。

やはり、チューブの違いは侮れない。個人的には軽量ブチルのフィーリングの方が好みだ。以前、プロ選手でも、しっかり感を求めて、ラテックスではなくあえてブチルを選ぶ人がいる、という話を聞いたことがあるが、なんとなく納得できた。
しかし、疲れにくさなどを考えると、総合的には、ラテックスの方が体にやさしく、結果的に速く走れると思った。

(次の記事に続いています)

コメント