Specialized POWER PRO WITH MIRROR ショートインプレ

【関連記事】
 
今回インプレするSpecialized POWER PRO WITH MIRRORは同社のPOWERサドルをベースとして、最近はやりの、3Dプリンターによって成形されたモデル。設計の自由度が向上することで、これまでにないライド体験を得られるだろうと思い、試しに購入してみた。
 

 当たり前であるが、これまでのサドルにはない見た目。形は従来のサドルと変わらないが、パットの柔らかさなどが、従来のサドルより緻密に設計されており、技術者・研究者の理想に近い性能が出ているのではないかと思った。
サドル全体に穴があり、中央もハチの巣のようになっているが、均一に成形されており、技術レベルの高さがうかがえた。
 
座った感触はこれまでにない独特なもので、座骨全体が包まれるような包容力があった。路面からの衝撃も角が取れており、とても快適であるが、一方で、柔らかすぎないため、力をかけたペダリングができる。サドルの形が合う人であれば、 長距離でも快適なライドができると思うし、低強度のライドから高強度のライドまで、何でも使えると思う。

今回ショートインプレと銘打ったのは、短期間の使用にとどまったから。Specializedのサドルと言えば、もともと、Romin EVOを使っていた時期があり、少なくとも、自分にとってはベストではなかったので、このPOWERサドルも、形状を見る限り、ベストではないと分かっていたし、実際、残念ながら、僕にとっては完ぺきなフィットにはならなかった。具体的には、側面のRが緩いため、大腿に接触してしまうのだ。そのため、脚の血流が阻害される感じがあり、せっかく座骨付近は快適なのに、脚全体としては快適ではないのだ(参考までにだが、今のところのマイベストはselle italia fliteselle SMP F30[念のためだがF30CではなくF30])。
 
とはいえ、この3Dプリントの技術に可能性を感じたし、今のところ、重量以外にデメリットは見当たらない。もし、同じサドルで3Dプリントの技術を使って緻密に設計されたタイプと、従来の製法を用いたタイプが選べる場合、どうしてもバイクを軽量化したいとき以外は前者を選ぶと思う。今回、残念ながら自分には合わなかった製品なので絶賛とはならないが、とても可能性を感じる製品だったし、合う方に対しては強く勧めたい製品だったのでインプレを公開することとした。

なお、このサドルにはスペシャライズドのROVAL ALPINIST CARBON POSTを組み合わせているが、このような、前側のねじが、上からしかアクセスできないシートポストでも、下の写真のように、あたかも穴あきサドルかのように、ねじにアクセスできる。


コメント